Growltiger

俺たちに明日はないのGrowltigerのレビュー・感想・評価

俺たちに明日はない(1967年製作の映画)
4.0
1930年代、実在した銀行強盗カップル「ボニーとクライド」の半生を描いた作品。


アメリカ映画の歴史を知ると革命的で価値ある作品。

というのも当時アメリカは「ヘイズコード」と呼ばれる規制条項があり、エロ描写や暴力シーン、台詞すらも規制が厳しかったそうです。
それが廃止されドーンと世に出てきたのが今作。
男女の営みを始めようとしたり、撃たれて血が飛び出したり、今じゃ大したことないですが当時の観客の衝撃は凄かったでしょうね。

個人的にはボニー役のフェイ・ダナウェイの悪女顔が好き。
顔だけで無く、ボニーって人間に興味を持ちました。
ボニーって人間は町のウエイトレスだったのに悪い男のクライドに引っ張られて自分も悪の道に行ってしまうんですね。
その辺の描写が駆け足な気もしましたが、1930年代のアメリカは大恐慌で夢や希望も持てない人が多かったと思われます。
自分はしがないウエイトレス。
そんな時、目の前に現れた危険な香りのする男に惹かれるってのはなんとなく分かるかも。

実際のボニーとクライドの写真も美男美女。
罪の無い人を沢山殺してるので英雄視は出来ないけどもね。

映画の有名なラストシーンは息をのみました。
最後の見つめ合うカットがなんとも言えず良い。
2人が状況を察した時、特にボニーの表情に胸が熱くなりました。