えびちゃん

青い棘のえびちゃんのレビュー・感想・評価

青い棘(2004年製作の映画)
3.7
青い棘とは、若さゆえの繊細さと傲慢さ。
刺さったまま抜くことができなかったギュンターはタナトスに支配され、ボロボロの思考に身を任せて身勝手になにもかも手放した。棘を抜くことができたパウル。けれど占いのとおりこれから先長く孤独と向き合わなければならない枷を負う。
退廃的で刹那的なパーティー。盛り上がっている片隅で惨めな孤独を味わった2人。ひとりの男とひとりの女が嫉妬に狂わせ不用意に揺さぶった落とし前はあまりにも残酷。
儚い文学に触れたようなひんやりとした余韻。心がざわついた。
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