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卑弥呼のkuuのレビュー・感想・評価

卑弥呼(1974年製作の映画)
2.8
『卑弥呼』
原題 Himiko
製作年 1974年。上映時間 100分。
日本古代史の謎〈耶馬台国〉の女王・卑弥呼を捲きこんだ土着民と征服民という二つの勢力の宗教的な争い通して日本人の根源的な美意識を描く。脚本は『札幌オリンピック』(全く知りませんが)の富岡多恵子、監督は脚本も執筆している篠田正浩、撮影は鈴木達夫がそれぞれ担当。
篠田正浩が妻で女優の岩下志麻を主演に迎え脚本(富岡多恵子と共同)・監督を務めた歴史劇。
前衛的な作風が話題となり、カンヌ国際映画祭でパルム・ドールにノミネートされたそうな。

古代、邪馬台国のまつりごとは、神の言葉を聞くことのできる巫女ヒミコが司っていた。
遠い国から帰ってきた異母弟であるタケヒコが逞しい男に成長しているのを見て、ヒミコの欲望は燃え上がった。
他に恋人がいるタケヒコも、最初はためらったものの、すぐにヒミコを受け入れてしまう。
国の長であるオオキミは二人のことを知り、ヒミコの信託に疑問を抱くようになるが、神の言葉を疑ったとして刺し殺されてしまう。

余談から始めます。
小生の父方は、代々神道を信仰してる血筋ですが、小生は神道イズムは継承していない。
どうでも良いのですが家系図を辿れば祖先は天児屋命(あめのこやねのみこと)となり、しいてはもうちょい遡ったら天女になる。
祖先が天女と信じる父親はある意味純粋やったかな。
まぁ、小生は神道イムズの薫陶を受け育ったとは云え、余り神道には頓着してない。
しかし、これは、AV女優が名前を拝借して源氏名『卑弥呼』と付けたと同じくらい(彼女にも信念や理念はあったかもしれないが)、今作品は卑弥呼を冒涜してるって取れなくはない。
AV女優卑弥呼と同じように信念や理念があるとは思うが。 
後一歩踏み込んだら、昔の場末にあった劇場で、公開上映してたピンク映画になりかねない。
岩下志麻が結婚したのは1967年3月26歳の時やし、今作品の時は既に篠田正浩監督と夫婦になってる。
つまり、奥さんを当時ならエロさ加減は、過激な方やとは思う作品に、あないな事までさせてんのは、ある意味確りとした何かがあるか、変態か、もしくは両方に違いない。
あないな、こないなは、どの様なものか気になられたなら是非御視聴を。
そう云やぁ、園子温も妻で女優の神楽坂恵にかなりきわどい役を演じさせてた。
園子温に至っては最近の報道では限りなくマブの変態だと云われてる。
記事を鵜呑みにするならの話で。
でも、園子温は変態ならではの善き作品も産み出してる。
その変態監督先駆者が篠田正浩監督と位置付けたらいいのか。
無知故にファンの方お許しを🙇。
これは偏見過ぎるし、折に触れ今作品の監督作品は他のも見てみたいと思えた。
まぁ、神道の神話を直接語るのではなく、篠田の妻、岩下志麻が演じるのはシャーマンであり、何処かの世界の女王の伝説のようなモノに手を加え、再構築した作品であると考えたら、前衛的な作品にカテゴライズされるのは理解できるかな。
また海外には受け入れられたのも多少理解できる。
公式の歴史から遠く離れ、権力、性、宗教について、古代中国と日本のイカれた資料の要素を混ぜ合わせ、若干のシュールレアリズムを交えながら、作り手としての見解を示している。
特に、太陽の女神アマテラスが弟のスサノオと口論になり、洞窟に隠れ世界が暗闇に包まれた岩戸隠れの伝説に捩ってるとこなど。
あくまでも卑弥呼イコール天照大御神(アマテラス)と位置付けてるんやけど。
しかし、騙されて洞窟を出ると、世界は再び明るくなる。
今作品では、卑弥呼は異母兄の武彦と恋に落ちますが、口論になり、彼を殺させ、自分は人目につかないようにする。
宮廷人に殺され、代わりに神託を受けた少女が鏡(天照大神の象徴)を掲げて(日本書紀などでは、天照が岩戸から出た瞬間、鏡を見せたのが天児屋命で、鏡を八咫之鏡と呼ぶ)、自分は確かに卑弥呼であり、生まれ変わったのだろうと宣言する。
カメラは大きく後ろへ、そして上へとパンし、現代の風景を映し出し、繰り返される歴史の歩みを思い起こさせる。
神話や歴史的解釈から逸脱してるところに、夢うつつの中にあるような今作品は、確かにシュールレアリスムを若干周到してる。
もちろん、それだけではなく篠田監督の作品は、家父長制や、セクシュアリティと政治的・宗教的な義務の間のギャップについてのコメントとも取れるかな。
今作品の最初の方では、卑弥呼が鏡に日光を反射させて自分の性器に当てることでオーガズムを得るという儀式に耽っている。
今作品は不可解ではあるが、全く解読不能というわけではなく、歌舞伎や舞踏の要素を含む神道内部の世界に完全に迷い込まないように、大量の説明文が用意されている。
音楽は、篠田監督と頻繁にコラボレーションしている武満徹が担当したそうな。
今作品のビジュアル・スタイルは海外の方からしたら素晴らしいかもしれないし、東洋の神秘主義、アレハンドロ・ホドロフスキー風、シュールレアリズム時代のフェリーニを混ぜたような感ってことになるんかもしれない。
しかし、実際に日本の歴史を齧ってる人からすると、奇抜な衣装と赤白の色彩、影絵、表情豊かな色彩構成なんかは、オーパーツにしかみえない。
因みにオーパーツとは、それらが発見された場所や時代とはまったくそぐわないと考えられる出土品や加工品などを指す。
英語の『out-of-place artifacts』を略して『OOPARTS』とした語で、つまり場違いな工芸品という意味。
卑弥呼の宮殿のデザインやらガジェット(気の効いた小道具)にも凝ってはいるが、手垢のない全てが真新しいモノばかり。。。
まぁ夢の中での出来事なら、森に立つタケヒコが12本の矢に射抜かれている姿や、あの美しいシャーマンのドレス・メイク、使用人たちと森を訪れる卑弥呼の姿はシュールかな。
個人的には卑弥呼の浪漫を、沢村忠に真空飛び膝蹴された感じかな(よくわからない)。

卑弥呼で徒然に。
※訳のわからない駄文を連ねていますので、ねちっこいのが苦手な方はどうかお時間許す範囲でよろしくお願いいたします😊
また、無知故に誤り多き文章ですがお許しを🙇。

一般的にはヒミコは『卑弥呼』表記ですが、これは実際には三世紀頃の日本において付けられた漢字ではないと推測されます。
日本に漢字が伝来したのは4世紀後半とされてるし、まぁ当時の邪馬台国では、高貴な者たちは漢字を使ってたのかもしれないが、使ってたなら余計に自分たちの女王に『卑』と卑しい漢字を当てるはずがない。
恐らく、古代中国の魏国へ日本の使者が訪れた際に、
『お前さんらの王さんの名前は?』
って魏国側に聞かれた際に、
『おいどんたちの女王はヒミコでおじゃりまする(方言は加筆修正)』と日本側が伝えたところ、あいにく日本には漢字を充てる文化はまだ根付いてなかったし書き示すことが出来なかった。
故に、ナメとる魏国は『魏志倭人伝』にもある音のみの当て字で『卑弥呼』としたのだろうと思う。
もし、この推測通りなら、むしろヒミコではなく、ヒムカに近かったんじゃないかなぁ。
でも『魏志倭人伝』も当てにはならん部分も多々あるし、名前だけでもミステリアスな女王さんでありんす卑弥呼さんは。
卑弥呼が暮らす国についても『邪馬台国』も同じようなんじゃないかな。
この邪馬台国の場所についても有力な説でさえ二つありミステリアスでありんす(しつらこい)。
『魏志倭人伝』があてにならぬとこでは、その伝には
邪馬台国の場所は帯方郡(現在のソウル近辺)より狗邪韓国七千余里、郡より倭に至るには、海岸に循って水行し云々。。。
と、その『魏志倭人伝』にある文を現代風に置き換えコンピューターで『陸行水行』して行っても海の真っ只中に着いちまう。
まぁ遠からずで譲るなら、福岡県糟屋郡宇美町付近とされてるが(その近くの志賀島で『漢委奴国王』の金印も見つかってはいるが)、あてにならない。
まぁそないな謎が、浪漫を掻き立てるんやろな。
しかし、思えば日本は今になりせっせとSDGsやらLGBTQと叫び始めてるが、古代から変わらず新たな文化などには遅れを取る民族やなぁ。
卑弥呼の時代を取っても、住居は竪穴に、 カヤやススキで屋根と壁をふいた、簡単な構造の住居竪穴式住居やったし、織った布地を身にまとうワンピース状の衣服を着てる(ポンチョみたいなやつ)。
金属に関してもせいぜい神事に青銅を使うくらいで、石器や動物の骨が金属代わり。。。
一方、日本が訪れたであろう魏国は、時代て云うなら三国時代。
当時の建築は、版築と日干し煉瓦の二段構えで
蛤を焼いて白くした粉を泥壁に塗って補強した
住居。
また、台所である土間と部屋に分かれていたそうで、竈(かまど)には、外に向かって煉瓦のダクトが伸びていたそう。
衣服も日本で云う着物と同じようなモノを着てた。
高貴な者は絹の着物も着てたやろし、下着として襦袢も着てたそうな。
そして、金属に至っては、鉄があったし、鋼の精製までしてる。
戦争したら相手になってない。
東洋太平洋ランカー以上のプロボクサーと巷のヤンキーのケンカくらい邪馬台国と魏国では雲泥の差がある。
それ故に魏国が邪馬台国の女王に『卑』と云う漢字をたてたのもうなずけるし、そんな文化の差があるし仕方ないちゃしかたない。
とは云え、日本人(大和民族)は勤勉で器用な人種やし、明治維新の時を例にするなら、明治初頭に欧米を視察した岩倉使節団は日本はヨーロッパ諸国に40年遅れていると分析してるにもかかわらず、日清・日露戦争においては、からくも勝利を勝ち取るまでに日本を成長させてる。
故に現代もSDGsだけではなく文化の遅れを真摯に受け止めやればきっと追い付ける。
日本の悪い癖、他国と同じステージに立った後がよろしくない。
その後の胡座をかいたような流れが悪いのは否めないし(日本の半導体のリードも今や過去の栄光)、それをはよ日本人は歴史から学ばなきゃ。。。
あれ?なんの話やったかなぁ。。。
訳のわからない話になりました🙇。
まぁ卑弥呼って文字だけで三日間は寝ずに話せるくらい夢があるのに、個人的には今作品は頂けなかった。
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