このレビューはネタバレを含みます
脱獄囚チャップリンが逃避行の途上で新任牧師と間違われるお話。いきなり脱獄後で、服を盗むシーンもあっさり。
本気で殴ってくるガキ。チャップリンもスリのハワードを派手に蹴りつけたり、ケツに火を付け合ったり。本気めのドタバタがとても楽しいです。説教としてダビデとゴリアテを一席打つさまもパントマイマーの面目躍如。
チャップリンの表情の付け方が素晴らしい。派手という訳ではなく、感情表現のキモを抑え尽くすような図抜けた技量。
ラストシーンでそれが最高潮に達するようでした。粋な計らいを見せる保安官。とぼけたような感傷と哀愁の入り交じる動きと表情が圧倒的で、涙が出そう。脚本としても素晴らしい流れ。
あっさりしたお話の中で、さまざまな感情を楽しく掻き立ててくれた、さすがの傑作でした。