kazu1961

ラストエンペラー/オリジナル全長版のkazu1961のレビュー・感想・評価

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「ラストエンペラー」
原題「The last emperor」
1988/1/23公開 イタリア,イギリス,中国作品 2018-083
アカデミー賞作品賞再鑑賞シリーズ
1988年第60回 アカデミー賞作品賞

※レビュー点数は劇場版に表記

ディレクターズカット版219分を鑑賞、流石に長尺ですがぐっと入り込んで鑑賞できました。
溥儀に対する清朝皇帝指名と崩御を描く1908年からスタートし、文化大革命のさなかに一市民として死去する1967年までの出来事をメインに溥儀の人生を描いていむす。歴史的事実には重きをおいておらず、大胆な創作が随所に盛り込まれているのが特徴ですね。(特に日本人にとっての歴史事実の認識は解釈が難しいですね。この部分がなければレビュー評価は4.4。)
なんといっても、故宮「紫禁城」で中国共産党政府の全面協力により数週間借り切って、世界初のロケーションを行われたことが公開前から大きな話題を呼んでいました。色彩感覚豊かなベルトルッチの映像美は圧巻の一語に尽きますよね。特に故宮太和殿での即位式の荘厳、華麗なシーンは映画史に残る有名なシーンとなっています。
あと、我々日本人にとっては、高松英郎や立花ハジメなどの日本人俳優が多く出演し、さらに甘粕正彦役兼音楽プロデューサーとして参加した坂本龍一が、日本人として初めてアカデミー賞作曲賞を受賞したことなどが話題でしたね。
ディレクターズカット版では、更に登場人物の描き方が緻密になっていて良い出来です。更に感情移入させられてしまいます。後は日本人にとっては微妙な満州事変のくだりがシーン追加されました。
本作は壮大な歴史叙事詩、感情移入の度合いが大きければ大きいほど、軽妙なラストの閉め方が素晴らしく密やかで、哀しく切ないです。比類の無い波乱万丈な人生を送った人間を持ってして、人の一生の儚さを思わせられます。

溥儀の自伝『わが半生』を原作に、ベルナルド・ベルトルッチが監督、脚本を兼任した。メインキャストである溥儀の青年時以降の役は、香港生まれの中国系アメリカ人俳優のジョン・ローンが演じた。
3歳で清王朝の皇帝に即位した溥儀の生涯を、絢爛豪華に描いた歴史大作。1950年中国人戦犯として護送される最中、溥儀は自殺を図る。意識が遠のいていくなか、幼き日の情景が脳裏によみがえってくる……。外国人に初めて撮影許可が下りた紫禁城での即位式は、幼い溥儀に500人の家臣がかしずく圧巻のシーンである。1987年アカデミー賞では作品、監督、撮影、脚色、編集、録音、衣装、美術、作曲とノミネートされた9部門すべてを受賞。出演のほか音楽も担当した坂本龍一は、日本人として初めてアカデミー作曲賞を受賞した。ディレクターズカット版は218分。
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