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猿の惑星のshxtpieのレビュー・感想・評価

猿の惑星(1968年製作の映画)
2.0
『猿の惑星』といえば、コーネリアス? 最近、『映画秘宝』のことを考えているからか、『映画秘宝』っぽい映画ばっかりを見ている。

激化していった人種間の対立を反映し、マイケル・ウィルソンが被赤狩りの経験からキリスト教原理主義者や保守派への一撃を加え、ロッド・サーリングが冷戦をめぐる人類そのものへの不審や皮肉を込めた、SFの体裁をとった社会的な寓話。また、町山智浩は『〈映画の見方〉がわかる本』で触れていないけれど、アメリカの西部開拓や植民地主義に対するコメントも、あきらかにふくんでいる。それにしても、「聖典」が誤っていることを知りながら、その矛盾を証明するものを隠滅しにかかるザイアスを見ながら、まったくもって今と変わりないがない、とため息が出る。

文化的な影響など、あらゆる点で歴史上かなり重要な作品であることにはまちがいないけれど、画や編集、ドラマの運びの面で、どうにも野暮ったさ、退屈さが目立つ。とはいえ、ジェリー・ゴールドスミスのスコアは冴えている。
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