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牯嶺街少年殺人事件のkazu1961のレビュー・感想・評価

牯嶺街少年殺人事件(1991年製作の映画)
4.2
「牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件」
原題「牯嶺街少年殺人事件 A Brighter」
2017/3/11 公開 台湾作品 2019-010

4Kレストア・デジタルリマスターで、蘇りました。およそ4時間を超える長尺ながら、一時も飽きることなく観れてしまいます。人物の出し入れ、構図、カメラの目線、伏線の張り方、音、台詞、配役、光と陰、これらが的を外さず、しめやかに物語が進んでいくのは品格すら感じます。さすが、エドワード・ヤン監督ならではです。
ストーリーもエドワード・ヤン監督自身とオーバーラップし自分自身の人生のこと、分断された祖国のこと、外省人として上海から台湾へと渡ってきたこと、1949年の台湾のこと、を描ききっています!!
とにかく、これらの環境によって追い込まれていく主人公、小四の心情が変化していく様がじっくりと、そしてリアルに伝わってきます。
時を経ても変わらない少年の純真と激情、報われない憧憬がやり場のない怒りへと変わっていく、そんな少年時代の脆さを見事に描ききった傑作ですね。
伝説の一作!!

台湾の名匠エドワード・ヤンが手がけた青春群像劇。1991年の第4回東京国際映画祭で審査員特別賞を受賞し、ヤン監督の日本初公開作品として92年に劇場公開された。61年夏、14歳の少年が同い年のガールフレンドを殺害するという、台湾で初の未成年による殺人事件が起こる。不良少年同士の抗争、プレスリーに憧れる少年の夢、大陸に帰りたいと願う少年の親世代の焦りと不安を描きながら、当時の台湾の社会的・精神的背景を浮き彫りにしていく。主人公を演じるのは、当時まったくの素人だったチャン・チェン。上映時間が188分のバージョンと236分のバージョンが存在し、2016年の第29回東京国際映画祭ワールドフォーカス部門にて、デジタルリマスターされた236分のバージョンがプレミア上映。17年に同バージョンが劇場公開となる。
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