ゼロ

ユージュアル・サスペクツのゼロのレビュー・感想・評価

ユージュアル・サスペクツ(1995年製作の映画)
3.8
見破りますか?だまされますか?

最後まで観ると、あっと驚く作品。そのあっという声は、「ちくしょう、やられた…」という驚きではなく、「えっ、そういうことだったの!?」という感じ。大どんでん返しを期待すると肩透かしを喰らうが、106分という短い時間の中でも起承転結があり、ミスリードを誘う描写が多く、シナリオが優秀。

あらすじは、左手に拳銃を持つ謎の男が船上で複数の人物を殺し、船は爆発・炎上して、銃殺体を含む多数の遺体が見つかる。その事件で一人だけ無傷で生き残ったヴァーバル・キントを関税局捜査官のクイヤンは尋問する。キントは、この事件が起こるまでの一連の流れを話すのだった…というもの。

作中で語られる回想の多くは、キントが語ったもの。彼の語る話を聞いていると、中盤までの事件は、5人の犯罪者が面通しで出会い、事件を起こしていくというのに、退屈に感じる部分があった。

中盤以降に「カイザー・ソゼ」や「コバヤシ」の存在が語れるようになってから、面白くなってくる。「カイザー・ソゼ」って何者なの!?って興味が湧いてきたら、密輸船爆発事件が起こり、怒涛の展開に。

「カイザー・ソゼ」に仕組まれた5人の運命は!?と大きな盛り上がりはなかったが、最後に語られるエピソードで、全ての真相が明かされると、これまでの退屈が嘘のように感じられ、また最初から視聴したくなるような作品。

1995年と古い作品なので、その時代の空気が流れているのも良い。派手ではないものの、堅実に、かつ意表を突いてくる物語。面白かったです。
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