お母さんが出演していた
びっくりした
昔の地元

音楽的な実験映画。
『ターチトリップ』の続きのようなゲイセンスの映像コラージュ作品。サウンドトラックも相まって臨死体験感ある。4と5が持ってかれて好き。
6つの映像の長さがそれぞれ約10分って点も含めて、ケネスアンガーの『我が悪魔の兄弟の呪文』を想起した。

映像と全く関係ない感想を書く。または映像の感想……。

物語映画が小説ならば、さながら実験映画は詩だと思う。自分は詩への感受性は低く、文字と映像を比べると映像に対する感受性は低い。以上をまとめると次のようになる。

小説＞詩＞物語映画＞実験映画

それでもやはり惹かれる。だから機会があれば観に行く。現にこの映像だってMVのように観てしまう。目が疲れたなと思えば途中で何回も止める。度々映る男性（おそらくゲイ）の趣味が撮り手と自分とで似ているなと思う。面長で鼻筋の通った男たちが情感たっぷりに描かれる。

カメラは下から上に何度もティルトする。天国に向かう運動だ。まだ半分生きていて半分死んでいる蛾に群がる蟻たちを映してから、それが神道での出来事であったことが明らかにされる。

例によって魅力的な青年が青空の下、瓦礫の上で細切れに詩を読む。あるいは詩のようなもので、正確には文脈のあるものかもしれないが、あまりに辿々しく読まれるが故に文章でなく「音」としてしか認知できない。今度はティルトでなく、パンだ。やはり辿々しいパンによって、青年の静かな運動は細切れにされる。