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マトリックスのスペクターのレビュー・感想・評価

マトリックス(1999年製作の映画)
4.1
懐かしのベスト・ムービー20  [11位]

『マトリクス』 (1999年)       【4.1】

受話器を取ったら“マトリクスの世界” (バーチャルの世界) へ!
というのが、当時としては不思議で仕方なかった。今でこそ、VR (仮想現実) なる概念は聞いて久しいが、



映画 『マトリクス』 が公開された当時、
「コールされた電話の受話器を取ればバーチャルの世界に行ってしまう」
ことを着想し、しかもそれを映画のモチーフにする。 
なんとも画期的であった。


性転換したリリー・ウォシャウスキーとラナ・ウォシャウスキー姉妹監督が手掛けた映画 『マトリクス』。
昼は、すぐにでもクビになりそうなひ弱なプログラマーのトーマス・アンダーソンと夜には、ハッカーとなるネオの二つの顔を持つ青年 (キアヌ・リーヴス) が、
ある夜、彼のアパートの一室にパソコンメールが来る。

「起きろ.....ネオ.....マトリクスが見ている.....白ウサギの後について行け.....トン.トン.....トン. トン.....」

メールに従い、結局、赤いカプセルを選び飲む羽目に合う。
それが元で、救世主ネオとして、マトリクスの世界にどっぷり入ってしまう.....。

ややこしい話であるが、実は今の生活そのものが、既にコンピュータに支配されたマトリクスの世界、仮想現実であった。
 
まさに、コンピューター映画の先駆を成した作品といえる。

キャスティングもいい。
*工作船ネブカドネザル号の船長モーフィアス役のローレンス・フィシュバーン:この人がこの映画の重し役である。 いなければ軽い映画となっている。
*モーフィアスの仲間である謎の女性トリニティー役のキャリー=アン・モス:冷静で包容力のある日本的な女性である。
若いのか年取ってるのか分かりにくいが、キアヌのお姉さん役的雰囲気を醸し出している。
この時32歳でキアヌの3つ年下である。
*コンピューター側のエージェント・スミス役のヒューゴ・ウィーヴィング:この人もひっつこくてしぶといがいい演技している。

『マトリクス』 は3部作構成であるが出来は本作が突出している。
次に続ける実にいい終わり方しているのだが。
『リローデッド』 はネタ切れの中弛み。
『レボリューションズ』 は失速するも何とか終わらせた。
という見方も否めない。 
2と3を圧縮して1本として纏めるべきだったのでは。

ウォシャウスキー両監督とWBがマトリクスの新3部作を予定している情報もあるが是非頑張ってほしい!
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