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アラジンのスペクターのレビュー・感想・評価

アラジン(2019年製作の映画)
4.0
映画『アラジン』

劇団四季の同名ミュージカルは新橋“海”劇場で10回近く観ていてその都度感動を味わっているが
やっぱり、映画版は素晴らしい。
表現の自由度が無限にある上に、スケールが突出、迫力満点、音響効果抜群で圧倒される。

・作品:
ヂィズニースタジオが手掛けるクラッシクアニメーション映画の実写化の一環として
『美女と野獣』(2017.4)に続く、ドル箱俳優ウィルスミスを起用したヒューマン・アドベンチャー作品。
プロモーションビデオに出てくる青色のジーニーの筈が、
こんなところで何をしているのかという場面から始まるこの映画、興味をそそられる。
四季ミュージカルでは自由になったジーニーはハワイ旅行に出かけるのだが。

・キャスティング:
*アラジン役のメナ・マスード。エジプト生まれカナダ育ちの27歳。
ほぼ無名と言っていい俳優の主人公への大抜擢。
肉の付いてないアラビアン系マスクの若者でアラジンに適役である。
*ジャスミン役のナオミ・スコット。 イギリス人の父、インド系の母親を持つ26歳。
芯の強い王女ジャスミンをうまく演じ切っている。 ひっつこくないマスクが魅力的である。
*ジーニー役のウィル・スミス。 アクション、SF、ヒューマンと何でもこなす50歳。
次から次へのトークと芸達者な2枚目半の役どころを見事こなす。 ラッパーでもあるスミスのラップシーンも観られる。
*ダリア役のナシム・ぺロラド。 イランのテヘラン生まれの37歳。
アニメ版では見られないジャスミン王女の侍女、将来のジーニーの妻という設定役を好演している。

・音楽
劇中数多くの挿入歌で堪能されるが、
*ジーニーが歌う冒頭の「Arabian Nights」、劇中の「Friend Like Me ~理想の相棒」は特に楽しませてくれる。
*なんといっても、アラジンとジャスミンが遁走的に歌う「A Whole New World」が圧巻である。
両人が“魔法の絨毯”に乗り、歌いながら天空駆け巡るシーンはやはりこの映画の最高の見せ場となっている。
エンド・クレジットでもこの曲が流れるが、こちらの方はゼイン・マリクとジャヴァイア・ワードがカバーしている。
*異色を放つのがジャスミンが歌うソロナンバー「Speechless ~心の声」。
ジャファーが国王の地位を奪い、ジャスミンが捕らわれとなったときに歌うシーンは、
陽気なイメージをもたらすアラジン映画の最も深刻な場面といっていい。
丁度、『アナ雪』のエルサが歌う「Let It Go~ありのままで」を思い浮かべる。

・監督:ガイ・リッチー
・音楽:アラン・メンケン他



家内と東宝シネマズにて(字幕版) 2019.6.7


実写化第3弾『ライオンキング』も間もなくである。 2019.8.9公開予定
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