スペクター

オットーという男のスペクターのレビュー・感想・評価

オットーという男(2022年製作の映画)
3.5
トムハンクスさんごめんなさい。
フィルマークスに投稿するのをすっかり忘れていました。
映画が面白くなかったとか、
そういったことでは全然ありません...............。

コロナ禍になってから、映画館に殆ど行かなくなり
Filmarks からも遠ざかってしまって、
2023.3 に観に行ったこの映画の投稿を忘れてしまっていた。

2023.7 になって、同じトムさんである、トムクルーズの映画の投稿時
「あっ! そうだ」と思い出した始末。

この映画、家内のリクエストで行ったということも、
一因としてあるのかも知れない。
NHK の番組 “あさイチ” の特選エンタに取り上げられたものである。

さて、この作品、『オットーという男』
今となっては、賞味期限も切れてしまっていると思われるので、
ある程度、内容に触れても許されると思う。

トムハンクス演じるオットーは、最愛の妻に先立たれ、
希望も仕事も失い、近隣からは疎まれる存在で、
自らの人生を、自ら終止符を打とうとするもうまくいかない、
という男の晩年の生き様を描いた、ヒューマンドラマ。

トムハンクスがオットーを演じている、のではなく
トムハンクス自身が、こういう人だったのかと思わせるくらい
オットーと自然にマッチングしてしまっている。
まさしく、円熟しきった名優でなければ、何と言えばいいのだろう。

映画や、もちろんテレビドラマなどを観るとき、
内容もさることながら、
誰が出るのかで見る見ないを決めることが多い。
結局、自分が興味を持っている俳優をそこに見ているのである。

例えば、
リーアム・ニーソン しかり、
クリント・イーストウッド しかり、
シルベスター・スタローン しかり、
デンゼル・ワシントン しかり、
キアヌ・リーブス しかり、
ジェイソン・ステイサム しかり、

女性陣では、
ケイト・ブランシェット しかり、
レイチェル・ワイズ しかり、
ジョディー・フォスター しかり、
ミラ・ジョヴォヴィッチ しかり、
ユア・サーマン しかり、
エマ・ストーン しかり、

などなどの、俳優さんを、見ているのである。

トムハンクスの映画はいろいろ観てきたが、
『フォレスト・ガンプ』
『アポロ13』
『ユー・ガット・メール』
『プライベート・ライアン』
『グリーンマイル』
『キャスト・アウェイ』
『ロード・トゥ・パーディション』
『ターミナル』
『ダ・ヴィンチ・コード』
『ブリッジ・オブ・スパイ』
『ハドソン川の奇跡』

などなど、それぞれの登場人物は、
“フォレスト” であり、
“ミラー大尉” であり、
“チャック” であり、
“ジェームズ” であり、
“サリー” であり、
彼等は独自のキャラクターを持っているが、
そのすべては、トムハンクス自身なのである。

これぞ、“トムハンクスという男” なのかも知れない。

内容に、少しだけ戻りたい。
SNSに縁のないオットーだが、
逆に、SNSを利用して悪徳不動産屋を撃退するシーンは、
小気味よく、おもしろい。 清涼感あり。

オットーの家の向かいに越してきた陽気な家族の
マリソルを演じるメキシコ人女優
“マリアナ・トレビーニョ”
オットーが入り込んだ迷路から、
引っ張り出してくる役を見事に演じている。


監督:マーク・フォースター
2023.3.11  TOHOシネマズ
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