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マトリックスのabeeのレビュー・感想・評価

マトリックス(1999年製作の映画)
4.7
【人生の選択】

先月、「マトリックス」のMX4D上映をやっていましたよね。
これまでにないほど、行けなかったことに後悔しています。
この作品は私が小学生の頃のものなのでテレビ画面でしか観たことがないのです。
4作目の製作が発表されましたので、是非‼︎是非是非公開までにもう一度上映して頂きたい‼︎
心の底からお願い致します。

考え出したら観たくて観たくて仕方がない‼︎
ということで、再レビューさせて頂きます。

この作品は定期的に観なおさなくてはいけませんね。
その偉大さを忘れてしまいます。
色々な映画を観てきたからこそ、この映画の凄さが分かる。

「マトリックス」は徹底的なヴィジュアルのこだわりはもちろんのこと、隙の無いほど練られたストーリーと世界観、新しいアクション演出に加えて映画のど定番演出まで使用してあり、映画が好きであればあるほど楽しめる作品だと思います。
最先端を行きつつ、ネオとスミスの対峙シーンは完全に西部劇です。

この作品は角度を変えればダサくなってしまうリスクを孕んでいます。
決めすぎの衣装やセリフ、あえてオーバーに演出したアクションシーン。
映像革命と言われたワイヤーアクションとVFXの融合にしてもそう。観方を少し変えるとダサいんです。

私、フィルマのレビューの中で「ダサい」という言葉を良く使っていますが、これ、褒め言葉です。
多分なんですがほとんど肯定的な意味でしか使ってないはずです。

やりすぎのオシャレってダサくなることありますよね?
「マトリックス」はファッションでいえば木村カエラとか菅田将暉です。
やりすぎがカッコいいんです。
「オシャレは引き算」とか「メイクは引き算」とかつまらん。
それももちろんバランスが崩れるとダサいんです。やりすぎだけどバランスを上手く取ってる。

それはギャップの使い方。
行き過ぎのマトリックスの世界と目を覆いたくなるような現実のギャップでバランスを上手くとりつつ観客の度肝を抜いている。

ストーリーはネオの「選択」を軸に進む。
それはRPGみたいなもの。
「進みますか?進みませんか?」
「助けますか?助けませんか?」
「戦いますか?逃げますか?」
その選択だけで進むので世界観だけ理解できればとても簡単です。

ややこしいマトリックスの世界も今の時代で考えればとても簡単。
コンピューターの世界に自分の意識が入り込むだけ。
今となっては半分くらいはマトリックスの世界は完成してる。
VRなんかは半分そんな世界ですよね。

それに「マトリックス」を表現するときに使われる印象的な哲学的な表現がいい。
「スプーン」のシーンなんて素晴らしいですよね。
これが最後弾丸止めるところに繋がるなんてね。

ということで、改めて観るとすんごくカッコいい映画ですね‼︎
ここで私の一番好きなシーンについてのお話を。
やっぱりモーフィアス救出に向かうビルのシーンが最高なわけですが、ビルの入り口からエレベーターまでの銃撃戦ですよね。
落ちる銃槍のひとつひとつと弾け飛ぶ瓦礫の雨、それ自体がもはやカッコいい。
ネオとトリニティの動きとそれを捉えるカメラワークが神。
ここでも冴えるのがギャップ。
最後エレベーターに乗り込む時の決めすぎの踵の返し方と静けさとエレベーターの「チンっ」ていう音。壁が崩れる瞬間までギャップ萌え。

それにしてもこの1作目はトリニティのカッコよさがヤバい。
屋上の「避けてみな」からのずどーーん!は一生に一度は言ってみたいセリフのひとつですね笑

曲のチョイスもイカついですよね。
エンディングのレイジからのマンソンなんてどんだけ尖ってんだい‼︎
レイジの「wake up」の導入は本当に神でした。
rage against the machineていうバンド名自体が「マトリックス」そのものだしね。

最後に余談ですが、私が「マトリックス」を初めて観たのは中学の校外学習のバスの中で、観てたら酔ってしまったという苦い思い出のある作品。
その時隣に座っていた男の子は私の隣の席じゃないのにそこに座ってました。
今思い返すと、小学校の修学旅行の時に行った遊園地でジェットコースターに乗った時も、違う班だったのに彼は隣に座っていました…

私が鈍かったのか、それとも「偶然」なのですかね、ネオさん。
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