ぐりんでる

セント・オブ・ウーマン/夢の香りのぐりんでるのレビュー・感想・評価

5.0
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貧しくも真面目な学生チャーリーは、帰省の旅費を稼ぐため、盲目の元軍人”中佐”の世話係を引き受ける。中佐の横暴な態度に辟易としながらも、交流を深める二人だが、それぞれに抱えるものがありその期限が迫っていた…
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至極のヒューマンドラマ。最高だった
まずアチーノの演技が凄い。焦点を合わせない瞳が本当に盲目なのかと思えてくる。悲哀だったり、心を見透かすような眼差しすらも表現していて凄い眼球力。
こりゃあ獲るんじゃねーかな?…アカデミー賞。(受賞済みらしい)

戦うか、逃げるか。大小様々に問題に直面する事はあるが、その時どんな選択をするのかで品位が問われる。人生のもっと早い時点で見ていたかったな、と思えるようなとてもいい話でした。
そして心惹かれたのは様々な粋なな名言の数々

この中佐、口や態度はクソほど悪いが洒落た感性や品性、人の心の機微を察する鋭い洞察力、嗅覚を持っている。それが時折セリフや振る舞いから溢れいて感心&感銘を受けた

それに伴って印象的な場面も多い。
安全運転の表現史上最も穏やかな言い回しのセンスに唸っていたら、
真っ赤なフェラーリによる助手席は真っ青な史上最も危険な運転をかます常軌を逸した死のドライブシーン。

ナンパ史上最も紳士で品がある誘いから、人生の格言、そしてタンゴのリードに至るトリプルコンボは、ロマンス界屈指の珠玉のダンスリードシーン。

ちなみにここで僅かな時間だが登場するレディの美しさと言ったら、息を呑むほど衝撃的な綺麗さだった😳呑んだ息で窒息寸前だった👼

タイトルの「 Scent of a woman (訳:女性の香り)」
内容にストレートじゃないちょっと変わったタイトル。
これは女性について、中佐が滔々と語っていた時に出てきた言葉だった。

単純に光のない世界での香りの重要さや、女好きである中佐のお茶目さの表現かもしれないが、

高潔さ、勇敢さなど、香り同様に目に見えないが美しく偉大なものの価値を描く今作に、レディへの敬意や色気を重ねたようにも感じられて洒落てるなと思いました(スーパー邪推)

そして今作の最高峰の見せ場はラストのスピーチ。
今作を大好きになった熱源であり、最高に熱く、最上にかっこいい
まさに万雷の拍手に値するものであり、覇王色の覇気出てました。

自分の境遇に言い訳せず真面目に優しく在るチャーリーも大変に素晴らしい!

これは、オールタイムベストムービーの一つにしたい👑

この春一番のMr.ジョン・ダニエルです。