YasuyukiMuro

祇園囃子のYasuyukiMuroのレビュー・感想・評価

祇園囃子(1953年製作の映画)
4.0
溝口健二監督、1953年の作品。
祇園花街の芸妓、美代春(木暮実千代)の元に、舞妓志望のまだ幼さが残る栄子(若尾文子)が転がり込む。華やかに見える花街とその裏側、そこに生きる芸妓舞妓の悲哀と逞しさが描かれます。

間違いなく一生縁のない世界ではありますが^^;日本が世界に誇る祇園の芸者世界にはなんとなく興味はある。昨年までの単身赴任の時は祇園祭りを何度か見に行ったり、木屋町周辺で飲んだりしたので懐かしさもあったり。

16歳で置屋に入った文子さまが座敷に上るための修行(作法や着付けや三味線などの芸事)するシーンや、舞妓デビュー前のお茶屋への顔見せ挨拶とか、見初められて旦那をとるとか、そんな風習を垣間見れるのは興味深いけど、公共事業受注の為に役人に好みの芸妓を当てがうとか、今では大問題になるクズ男も多数登場し、売春防止法以前とは言え、なかなか下衆いです。

若尾文子は撮影時はまだ10代、今まで見た若尾文子で最も若い映像でしたが、「文子さま」と崇める方の気持ちが分かりました、可憐です^_^
あとはお茶屋の女将(浪花千栄子)の存在感は半端ないです!

溝口監督の映像美はここでも健在で、祇園の路地裏、透けた暖簾越しの構図など、素人の私でも『これは!』というシーンが満載、玄人の方は唸る事でしょう^_^

コロナ収束したら、また京都行きたくなりました!
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