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最高殊勲夫人のkoyamaxのレビュー・感想・評価

最高殊勲夫人(1959年製作の映画)
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それぞれ言いたいことをはっきり言う人たちが揃って小気味よい笑

見てて楽しいんだから、そこに生きてて楽しいんだろうなという雰囲気で。

商事会社御曹司の三兄弟と中流家庭三姉妹のラブコメ。
上の二人が結婚して、末っ子二人も結婚させたい姉の思惑に
会社や友人、当の本人三郎(川口浩)杏子(あやや)も振り回され、
お互い何がなんでも結婚しないと反発。
二人協力して既成事実を準備するのですが、、。


上二人が同じ家同士で結婚したから3人目同士も同じようにしなさい。
というのはよくわからない理屈です。というかムチャクチャ笑
だけど、あややがモテまくるのは説得力あり笑

当たり前ですが、当時はスマホもないので、
すぐ連絡を取り合えないというだけでもドラマ。ラブコメ増要素。
画的にも昭和レトロ感満載。楽しいです。


あとテンポがいいというか、いちいち軽いのですけどね。
電話で相手の告白を断って終わる。とか。
堂々と会社に愛人が来るとか^^;
愛人に詰め寄られて慌てる船越英二とか。

ラブコメなんで複雑な話はないっていうのもありますけど、
とにかくキャラ立ち。さりげないけど明確なキャラ。

あややもいい。他者への振る舞いも気が利いている。
川口浩がいい。坊ちゃんぽさと、素っ気なさから感じられる痩せ我慢。


正直大して共感は覚えないんですけど^^;
なぜか登場する人たちが好きになってくるんですよね。
内面に踏み込みすぎないからか、友達の距離感で見てられるんですね。


とくに川口浩は役者としても元々探検隊のイメージしかないし、
嘘くさい感じでこれまで見た映画でもぜんぜん好きじゃなかったんですが、
何かそこすらいいなと思いましたね笑

こいつ調子いいけど、いいやつなんだよ。くらいには紹介できるというか笑

あと、あややパパをはじめ、振られた男たちなんかと
一緒に飲みに行きたい気持ちになります。


登場人物によくわからない人というのがいません。
良い悪いは別として、やりたいこと、
もっというと欲望が剥き出しになっていて、どう生きたいかみたいなことが
はっきり明言されていて気持ちいいです。


今欲望ってほとんど悪い意味みたいな感じですよね。
欲を望む。つまり悪!見たいな。
欲を望む様は現代ではシリアスになりがちですが、
この辺りは現代と高度成長期との違いなんでしょうかね。
わかりませんけど。


言いたいことが言える。そうしたことが清々しい。
当時、そういうことをいうつもりで作っているかわからないのですが、
この時代から無くなったものも見えてくる気がしましたよ。。

関係ないけど、「キ◯ガイだけが成功するのよ。」
というセリフはさりげないけどなんとなく心に残りますね。
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