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ザ・ビーチのabeeのレビュー・感想・評価

ザ・ビーチ(2000年製作の映画)
3.6
【転機】

これはなかなか興味深い作品でした。

監督ダニー・ボイル、主演レオナルド・ディカプリオ。

バンコクにあるというドラッグ天国、この世のものとは思えない程美しいシークレット・ビーチ。偶然泊まったホテルで出会った頭のおかしな男・ダフィからビーチへの地図を受け取ったリチャードは、同じくホテルで出会ったフランス人カップルと共にビーチを探す旅に出る。

アメリカでの生活に疲れ、逃げるようにバンコクへとやってきた青年・リチャード。
自分の人生に、何かが起こること、正に「転機」を求めていた。

この作品はまだ私が小学生のころのものですが、中学生のころ、私の周りで人気のハリウッド俳優といえばトム・クルーズ、ブラッド・ピット、そしてレオナルド・ディカプリオでした。
レオさまファンの子たちはこぞってこの作品を面白くないと言っていましたねぇ。

でもそれはレオさま目当てで観ているミーハー女子の意見に他ならず、ましてや中学生が理解できるような世界観のお話ではありませんでした。

ダニー・ボイル監督の作品ですからね。途中からはいい具合にトランス状態になれました。
それに後味もすっきり爽やか。
ダニー・ボイルの出世作、「トレイン・スポッティング」よりよっぽど好みの作品でした。

それにこの作品はレオさまの「転機」でもある作品なんです。
「ロミオ+ジュリエット」、「タイタニック」、「仮面の男」と王子さま作品が続いてそのキャラクターが確立していたレオさまにとってそれを払拭するきっかけを作った作品としてとても価値ある一本です。
この後のレオさまは男臭いイメージのものが多くなり、間違いなく俳優として一皮むけたと言えるでしょう。

ということで、決して名作と言える作品ではないですが、レオさまの「転機」となった作品。
今までのイメージを払拭しつつそれでも美しさは損なわず、ある意味レオさまの魅力を最大限に堪能できる作品でした。
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