馬井太郎

鳥の馬井太郎のレビュー・感想・評価

(1963年製作の映画)
3.8
アルフレッド・ヒッチコックは、1899年生まれ、19世紀の人だった(活躍はもちろん20世紀)。ニックネイム:「サスペンスの神様」。世に「神様」と呼ばれる人の多いなかで、私は、彼のこの冠に賛成派のひとりである。
1957年~’63年、日テレでの「ヒッチコック劇場」は、シリーズ途中からだったが、親父がようやく買ってきてくれたテレビジョンで、毎週楽しみにして観たものである。
テーマ音楽、シャルル・グノー作曲:「マリオネットの葬送行進曲」。当時、それとは知らなくて、てっきりオリジナルだとばかり思っていて、この曲に合わせて、彼の影が画面に出てくると、わくわくしたものだ。まさしく、ぴったりの音楽である。というのも、テレビでのスリラー・サスペンスものの、草分けだったからだろう。
ティッピー・ヘドレンの名が、ロッド・テイラーより先で、トップになっている。「ワーキング・ガール」での、メラニー・グリフィスの母であることは、ご周知のとおりだ。
鳥の群れが増え、徐々に高まる住人たちの恐怖、この震えは、ヒッチコック中毒になる快感とも云えるだろう。

いっとき、少なくなったかにみえた「カラス」が、あるところで、猛烈に増えている、というテレビ・ニュースをみた。尋常ではない。ビルの屋根、電線、樹木・・・おびただしい数だ。
餌は、街角指定場所に出される我々の捨てるゴミだ。被せたネットを食いちぎり、中の食物を引っ張り出して喰う。道路や庭が糞の山になる。道路端のゴミをあさっていて、近くを車が通っても、飛び去らない。知能が進化している、と専門家は云う。
まさしく「鳥」である。

こんな映画のようにならないうちに、何とかしなければいけない。・・・オー!! バッド・バード。