Ricola

ナニー・マクフィーの魔法のステッキのRicolaのレビュー・感想・評価

3.6
子どもは保護されるべき対象だが、だからといってすべての脅威から大人が常に盾になるべきとは限らない。彼らのためにも自分の殻から一歩踏み出す後押しをする必要があるだろう。

母親を亡くしてからやりたい放題の兄弟たち。彼らのイタズラは度が過ぎたもので、どんな家庭教師も逃げ出すほど。そんななかやって来たのがナニー・マクフィーという女性。彼女の「魔法」によって子どもたちは少しずつ変わっていく。


子どもたちがただナニーの言う事を聞いて受動的な人間になるのではなく、挨拶や礼儀などの基本的なことを学んだ上で、ナニーからのヒントを得ながらも主体的に考えて行動するように成長していく。
例えば、お金もちだけど怖い大伯母の養子につれて行かれたくないからと考えついたのは、家畜やペットにおめかしさせて目の悪い彼女を惑わしたり、赤ちゃんの言い間違いからヒントを得てピンチを切り抜けたりと、子どもたち特に長男のサイモンは自分で考えて行動するようになる。
その際ナニー・マクフィーは直接的には何も手をくださない。ただ、魔法のステッキをおまじないのようにトンって床に軽く叩くようにして置くだけ。もちろん魔法の力に頼ることもあるけれど。

おとぎ話のようなお家にワクワクする。ステンドグラスが部屋の壁やドアの一部に散りばめられていて、そこから色のついた光がさしてくる。教会のような神聖で優しい雰囲気を感じる。

個性豊かなキャラクターや笑いと感動のバランスなど、子ども向けという側面もあり、安心して観ることができる。かわいくて優しい世界に癒やされた。
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