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アヒルと鴨のコインロッカーのkuuのレビュー・感想・評価

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『アヒルと鴨のコインロッカー』
製作年 2006年。上映時間 110分。

伊坂幸太郎の同名小説を、中村義洋監督が映画化した青春ミステリー。
ボブ・ディランの不朽の名曲『"Blowin' in the Wind"(風に吹かれて)』にのせて、若者たちの奇妙な友情をミステリアスに描く。映画やテレビドラマなどで人気上昇中の若手俳優、濱田岳(濱田岳好きだなぁ)と瑛太がダブル主演。
共演には関めぐみ、松田龍平、大塚寧々といった人気、実力を備えた面々が顔をそろえる。

大学入学のため仙台に引越してきた椎名は、隣人の河崎から奇妙な計画を持ちかけられる。
同じアパートで暮らす引きこもりの留学生ドルジに広辞苑を贈るため、書店を襲撃しようというのだ。
椎名は誘いを断りきれず本屋襲撃を手伝うハメになるが、この計画の裏には河崎とドルジ、そしてドルジの彼女で河崎の元恋人・琴美をめぐる切ない物語が隠されていた。。。

中村義洋監督による今作品は、ボブ・ディランのサウンドトラックにのせて、奇妙なキャラたちが繰り広げる感動と笑いの冒険を描いた興味深い実存的物語でした。
一見単純な本屋の強盗事件で始まるけど、その後、時間が前後してジャンプし、時系列を自由に入れ替え物語が流れてく。
この手法は、見る人によってはイライラさせられるかもしれへんけど、一方でその風変わりな魅力を楽しむことができたなら目を惹く作品かな。

昨夜、BS松竹東急の『よる8銀座シネマ』でやってたし、視聴っす。

同じ役を複数の俳優で演じるという中村監督の決断は勇気のいるもので、それがうまく機能することもあるが、残念ながらこの作品では誰が誰だか少しばかりわかりにくくなってしまってました。
映画に大きな支障はないけど、もう少しはっきりさせてもよかったかもしれへんなぁ。
登場人物の演技は巧かったし、愛すべきキャラもいた。
コメディとドラマのバランスがこれまた巧くて、感動と笑いが同居する作品に仕上がってました。
大学生活を送ったことのある人なら、登場人物の少なくとも一人に共感できる部分があるんやろなぁ。
また、映像もよく、カラーと白黒の映像が並列に映し出され、前と後ろの映像がフラッシュする。
※しかし、動物虐待の過激なシーンがいくつかあるので注意が必要やと思います。
実際に動物に危害を加えていないことは云うまでもないんやけど、そのシーンは完全には理解しがたい。
まぁ、その分、インパクトがあり、他の作品にはないエッジが効いたのはたしかかな。
ネタバレを避けて、あまり多くを語らないようにするんは難しいが、全体として、簡単に理解できる映画ではないのは確かかな。
村上春樹を意識した伊坂幸太郎らしい。
広辞苑と広辞林取り違えたんは
そう云うことやね✨
しかし、この感動的なストーリーは、その努力に値するものであり、エンディングに込められた感動には驚かされた。
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