ーcoyolyー

エビータのーcoyolyーのレビュー・感想・評価

エビータ(1996年製作の映画)
3.5
ダサい!ダサい!クッソダサい!オリバー・ストーンが絡んでるのが良くわかるダサさ!でもオリバー・ストーンだからさ、キムチ食べて辛いとか砂糖舐めて甘いとかアイス食べて冷たいとかそういうことだからさ、それはもうそういうものなんだよ。アイス食べて熱くて火傷したらそれは事件だけどアイス食べて冷たくて怒るのは食べた人間が悪いってだけなんで。

ただこれオリバー・ストーン監督ではなく脚本クレジットだけだからアルゼンチンのサッカー見てエゲツないマリーシアで嫌な気分になる感じじゃなくて隣国ブラジルはネイマールのダイヴ見て笑うくらいの温度に仕上がってた。ダサさがそれなりの味になってたというかチェ・ゲバラ的なものに対するオリバー・ストーンの力の入りようが笑える程度に済んでたというか。これあいつが今作るなら狂言回しはチェ・ゲバラではなくホルへ・マリオ・ベルゴリオ(後のローマ教皇フランシスコ)になってると思う絶対。

何しろマドンナですよ。エヴァ・ペロンほどの野心の持ち主を演じることができるのはマドンナくらいですよ。マドンナくらいが丁度良いよ、マドンナが丁度良い人ってのもとんでもないですけど。青天井で求めて行く飽くなき野心、こんなもの持って実際に上り詰めてる存命女性マドンナかメーガン・マークルくらいですわ。もうキャスティングできた瞬間に高々とジュール・リメ杯掲げてるレベルで優勝してる。メッシが苦労して苦労してやっと手にして万感の思いでキスしてるようなジュール・リメ杯を呆気なく掲げてる。題材と演者が絶妙にオリバー・ストーンの匂わせる下品さとマッチしててあーそうそうこいつこんな感じこいつらこんな感じってこいつら所詮そんなもんって楽しく笑って見てられる。

ただ、これ制作されたのがアメリカでクリントン政権の時代なんだよね。クリントン政権時、すなわちヒラリーがファーストレディーであった時代にこれが作られたことと、アメリカのアルゼンチンというか南米に対する眼差しという要素を考えると全く楽しくないし笑えないです。これがスペイン語ではなく英語で作られていること、そこに対して忸怩たる思いは抱えなきゃならないんだとも思います。
ーcoyolyー

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