ーcoyolyー

戦場のレクイエムのーcoyolyーのレビュー・感想・評価

戦場のレクイエム(2007年製作の映画)
3.7
今私パール・バックの『大地』読んでいるところなので(王淵が上海租界と思しきあたりで学校行ったり色々あって革命やったり逮捕されたりした後に留学するために船に乗せられたところで三巻終わって四巻まだ図書館に取りに行ってない)その流れで国共内戦!?どんだけ中共のプロパガンダなんだろ!?とワクワクして再生してみましたら普通に良くできた戦争アクションヒューマンドラマだった。中共プロパガンダ映画じゃなくて中共プロパガンダ盛り盛りの企画書で予算分取って自分たちが撮りたいものとプロパガンダやってる感の折り合いに腐心してる系映画。正直予算取れて妨害されないなら別に国民党側題材でも良いんだよねー、という心の声が聞こえてきそうな。

流石火薬を発明した国だけあって戦場での火薬の取り扱い方と魅せ方には一家言ある心意気を見せつけられる。戦闘シーンでワイヤーアクションの止め絵の文法を取り入れてるように見えたのもなるほどなと。

戦場アクション、五体不満足な遺体及びかつて五体のどこかだった飛び散った手脚の間を縫って匍匐前進してるところが妙に見どころだったりしてこれ撮りたかったんだろうなと思う。

私あんまりドンパチ興味ないけどドンパチ好きな人が観ても楽しいんじゃないかなと思う。なんか普通に全体のクオリティ高かった。ドンパチ終わった後のヒューマンドラマも脚本展開しっかりしてた。

中国人の主人公たちが朝鮮戦争に従軍していて(南韓が敵)東アジア現代史における朝鮮戦争を日本人は知らなすぎなんだなとまた思った(「日本人」が主語デカなら「私」に置き換えてもらって全然構わないです)。そして『大地』の中で描かれている時間から朝鮮戦争までずっと中国は間断なく戦争し続けているのだなと気付いた。あれなんだ?日清戦争かな?日清戦争から辛亥革命やって途中第二次世界大戦挟んでずっとだらだら国共内戦続いたり何だかんだ戦争やり続けている国だと私は考えたことがなかったので驚いた。私は私の祖父が金門島だかで終戦迎えて呆然としてたら(どっちの陣営なのかわからない)中国人に「お前らこの武器もう使わないなら俺らにくれ」と言われて大砲の使い方教えてやった、というエピソードでしか中国の戦争考えたことなかったな、とも気付いた。
ーcoyolyー

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