真っ黒こげ太郎

ラスベガスをぶっつぶせの真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

ラスベガスをぶっつぶせ(2008年製作の映画)
4.0
その戦略は、天才だけに許される。

(何処でもやっていいとは言ってない)




ハーバード大へ進学した青年ベンは奨学金を貰えず、学費や生活費に困っていた。
そんな中、戻った先のMITで数学の天才であるベンの素質を見抜いたローザ教授がベンをブラックジャックの会に誘う。
彼らはブラックジャックの必勝法である“カード・カウンティング”を用いてラスベガスのカジノで一攫千金を目論んでいたのだ。
最初の内は断るベンだったが、ハーバード大への進学費を稼ぐ為にその甲斐に参加。
特訓を経て仲間とともにベガスへ向かい、一攫千金を目論むが…。




数学の天才学生達が、ラスベガスのカジノで一攫千金を狙う、実話を元に描かれた青春ドラマ。

今までのレビュー傾向を見てる人からすると「いきなり何でこんなの見るんだ!?」「不味い物でも食ったのか?」と思われそうですが、俺は正常だ!!!w
単純に某所でのレビュー見て「面白そうだなー」と思ったのと、ちょっと調べたらネトフリで配信されてたのでそのまんま勢いで見てみた。w



自分はブラックジャックのルールは全く知らん(爆)し、数学の知識も小学生の低学年レベルなので(超爆)、本作で描かれているブラックジャックの必勝テクニックであるカード・カウンティングに関しては全く分からんかった!!!!
数学の知識が居るって事で、今の手札から次の札の確立を計算して導き出す…って事で在ってるのかな?


まぁ、それでもお話は「一度とある成功から天狗になるも、そこから大失敗し転落してからの復活劇」って話なので、分かりやすく楽しめました。

主人公は物凄い数学の天才で顔もイケメンという一見嫌味に見えそうな設定だけど、どちらかというとオタクみたいな感じで親しみやすいキャラなのが良かったですね。
太っちょオタクの親友(滅茶苦茶いい奴)が居たり、彼女とすれ違ったりと、世が世ならスーツを纏いクモの力を使い密かに悪と戦いながら「責任が伴う大いなる力」に関して葛藤してそうな感じの青年なんですよね(そのまんまじゃねーか!w)。
お金を稼ぐ理由も「学費を稼ぐために、決められた額稼いだらやめる」という品行方正な理由で、見てて好感の持てるキャラでした。

そんな彼も、金とギャンブルの魅力に取りつかれてしまい、爽やかな好青年だったのが調子に乗った天狗に代わり果ててゆく。
そして、冷静なオタクっぷりを失い、親友やチームや恋人からも疎遠になり、最終的には手痛いしっぺ返しを食らいどん底へ落ちる。
良い奴に思えた教授が嫌な面を露にするのも良い。
(ここら辺は某オタク青年ヒーロー映画の3作目で、調子に乗って変なダンスを披露するイタいシーンを思い出したりした。w)


とは言え、そのまま落ちるだけではなくその人生のピンチを良い経験に変えるという展開で、しっかりと物語を盛り上げてゆく。
解決策もまぁそれなりに予想できるとは言え、復活のカタルシスもしっかり味わえた。
(警備の人は主人公に対して至れり尽くせりが過ぎるとは思ったけど)

無論、本作はギャンブルと金の力に負ける主人公の姿を通して、ちゃんとギャンブルの”怖さ”と”失敗”も描いており、爽快な復活劇というだけには終わっていない。
実はかなりアレだった嫌な教授の末路も、それを現しているだろう。
(まぁぶっちゃけベタな物だが。w)


正直カードゲームのアレコレに関してはさっぱり分からんかったし、娯楽重視な内容なので実話にしては疑問符が付く場面もあるが、俺は楽しめました。
まぁ、ブラックジャックの知識とかのアレコレがあればもっと楽しめるとは思うけど、一見ニワカな人(俺w)でも普通に楽しく見れると思うので是非。