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12人の怒れる男のkazu1961のレビュー・感想・評価

12人の怒れる男(2007年製作の映画)
3.8
▪️Title :「12人の怒れる男」
Original Title :「12」
▪️Release Date:2008/08/23
▪️Production Country:ロシア
🏆Main Awards : ※※※
▪️Appreciation Record :2019-158
▪️My Review
1957年の名作『十二人の怒れる男』を現代のロシアに舞台を置き換えてリメイクした作品ですね。アメリカのオリジナル、リメイク版と比べて、少年をチェチェン紛争の孤児にするなど当時のロシアの抱える世情を色濃く反映した作品になっています。
95分のアメリカ版に比べて2時間40分と重厚・長尺になったロシア版は、アメリカ版の陪審ドラマのエッセンスを単にロシア風にリメイクしただけではなく、新たに多くの重厚かつヒューマンな問題提起をしてるんですよね。ロシア版では評議の合間に再三再四フラッシュバック的に生々しいチェチェンでの戦いの様子が登場するのもその一つですね。それと、アメリカ版も陪審員としての評議の中に、12人それぞれの人生が映し出されていますが、ロシア版はそれを徹底的に追及しているところがすごいですね。
でも、わたしにはやはりオリジナルをはじめて観た時の強烈な印象を超えることはできませんでした。
それでもやはり重厚な素晴らしい作品ですね。

▪️Overview
シドニー・ルメット監督の名作「十二人の怒れる男」(57)を、「機械じかけのピアノのための未完成の戯曲」「太陽に灼かれて」「シベリアの理髪師」などで知られるロシア映画界の巨匠ニキータ・ミハルコフがリメイク。ロシア軍将校だった養父を殺害したチェチェン人少年の裁判を通して、現代ロシア社会が抱える問題や多民族国家ならではの偏見を浮き彫りにしていく。
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