もう本当にぐいぐいと本編に引き込まれるという作品でした。エンドロールのときに「やられたぁ~(笑)」って思いました。
観ている私たちは一応主人公の状況を最初から見ているだけに、取調べや裁判シーンでの理不尽な言動や主人公を有罪に持ち込もうとする検察側や証人、被害者(痴漢にあったとされる女学生)の証言を聞いていて多分心の中で「うそつけぇ~そんなこと言ってないやん!」とスクリーンに向かって突っ込みを入れていたんじゃないかな?
シリアスな映画なんだろうけどそこは周防監督、ユーモアやコミカルなシーンも盛り込まれているし(出演者も凄いよね)裁判シーンは確かに「なんじゃこれ?」と思う事も多々あってそりゃ、アメリカ人も笑うだろうなぁ~こんな茶番劇みたいな裁判が現実に行われているなんて。
映画自体は確かに主人公が有罪(その後すぐ控訴というところで終わっている)となるんだけど、この裁判の中では被告もやはり被害者であって被害者は加害者でもある。裁判官も同じで結局本当の加害者自身は出てこないんですよね。
真実をどう立証するのか?あと数年後には私たちがこの茶番な法廷に参加して裁きを決めなければならないんですよね。
このような冤罪の罪をどう立証して行くのか本当に考えさせられる作品でもありましたね。