馮美梅

劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデンの馮美梅のレビュー・感想・評価

4.5
文明が発達して相手とのやり取りを便利にできるツールが出来て、ドールという仕事が無くなったとしても、はやり言葉では伝えられないことも沢山あって、手紙という文化は決して消えることはない。

愛することを知るために、ドールという仕事を通して、いろんな人たちと出会い、別れ、そのたびに愛とは何なのかという事を知っていくヴァイオレット。

愛すること、生きていく事、死んでいく事、残されるものの事、愛する人たちを残して逝かねばならない理不尽さ、たくさんの事を学んで行った。

ギルベルトも素直じゃない。自分の気持ちを偽ってもそれは自己満足でしかない。結局大切な人たちの気持ちなんて蔑ろにしてるに過ぎないし、そんなことで苦しんだりしても後悔でしかない。

ヴァイオレットが少年の最期の望みが叶ったこと、色んな葛藤の中、島を離れようとする決意、しかし、彼女の本心を知ることでやっとギルベルトが手放してはならない大切なものを自覚して追いかけ、それに応えたヴァイオレット、今までに見た事のない感情ほとばしってる表情は素晴らしかった。きっと愛する人とあの島で逢いに包まれた人生を送ったんだろうと思わせてくれました。

彼女の人生、人間としての心の成長、彼女と関わった人たちとの物語は手紙を通して永遠に残っていくんだろう、大切な人たちの思いとともに。
馮美梅

馮美梅