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殺人の追憶のtetsuのレビュー・感想・評価

殺人の追憶(2003年製作の映画)
4.3
同監督の『パラサイト』に合わせて鑑賞。

連続婦女暴行殺人事件の犯人を追う地元の暴力的な刑事と、捜査のために都市からやってきたエリート刑事。
正反対の捜査方法にいがみ合いながらも、少しずつ打ち解けていく二人は事件の真相に近づいていき...。

『殺人の告白』を観た際、同様の事件を基にした映画があると聞いていたので、気になってはいたもののスルーしていたので、この機会に鑑賞。
というか、この作品もポン・ジュノ監督だったとは...。

もちろん、描いているテーマは重いのですが、ポスターからは想像もつかない序盤の滑稽さ。
暴力描写から生まれる独特の「乾いた笑い」や、「落ち着いた音楽」に、何となく北野映画に通ずるものを感じました。

個人的にスゴいと思ったのは、中盤、青いコートを着た女性が襲われるシーンで、一瞬、"とある人物"を登場させている所。
この部分があるからこそ、終盤の展開が、より際立っていたように思います。

というわけで、
行き場のない怒りや憤りが頂点に達するクライマックスに心を揺さぶられる本作。
『パラサイト』で監督に興味を持った方には、是非、観てほしい一作でした!

参考
韓国3大未解決事件「華城連続殺人」犯人が自白 映画は解決にどこまで迫った?|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/10/14-30.php
(本作の基となった事件は、その後、こんな展開を迎えたそうです...。)
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