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デスプルーフ in グラインドハウスのabeeのレビュー・感想・評価

3.7
【we got taken by, a rush of blood 】

「グラインドハウス」とは、B級映画を2、3本立てで上映していたアメリカの映画館。
「グラインドハウス」が大きく発展し、人気を呼んでいた1970年代の映画の雰囲気をそのまま再現しようとクェンティン・タランティーノ、ロバート・ロドリゲスの好きモノ監督2人を中心に制作された作品。

今回再鑑賞な訳ですが、一回目は面白さ全く分からず。私と同じく映画オタクな弟は「プラネット・テラー」より「デス・プルーフ」派ということで、もう一度観てみることに。

最初から初見は面白く感じなかったということもあり、面白いシーンを見逃さないようかなり注意深く、真剣に鑑賞しましたよ。
ところがそれが既に間違ってるんですよ。

この作品は始まりから全く着地点が見えないのです。
どういう話なのか、全く説明されないのです。
要するに中身が全く無い。特に前半。
若くてイケイケなギャル4人が出てきてどうでもいいガールズトークを繰り広げているだけ。
バーについてからも、人数が増えて益々会話はどうでもいいものになります。
「プラネット・テラー」は最初から基本の設定は説明されていてそれを軸にストーリーが進みます(最後は破綻しますがww)。
「デス・プルーフ」はベースが分からないまま進むため中弛み感が凄いのです。

ここまで言うと駄作みたいですが、長すぎるプロローグが終わった後は、最高ですよ。
前半のテキサスはプロローグ。後半はテネシーと舞台が変わります。
テネシーパートはとにかく面白いんですよ。

テキサスパートの擦り切れたフィルムをツギハギしたような映像からテネシーパートのカラッとした空気感を感じるモノクロの映像。
そして、映画の最高潮となるカースタントシーンはクリアなカラー映像で魅せる。

ということで、やはりこの展開の仕方は万人ウケするものではないですよ。
映画においても大切なのはバランスの取れた起承転結。長すぎるプロローグは観客を退屈にさせるだけです。しかも中身がないしww 笑いがあるわけでもないしww
恐らくうちの弟はギャルの生足とバタフライのラップダンスを楽しむことができたのでしょうねぇ…
テキサスパートをすっ飛ばしてテネシーパートだけ観たらもう少し高い点数を付けちゃってたかもしれません。
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