0.5の涙。手紙は涙の浸透率を上げるから。家族、遺伝、病、貧困など自分の力ではどうしようもない運命をどう受け入れて乗り越えるか、人間の最大命題かもしれない。しかし、悪の連鎖にならぬよう、あらゆる社会毒を排除する意志と知力は保持していたい。ウォンビンの次回作は「アジョシ」を越えるヒューマニズムを魅せてくれることだろう。

なんだこの大昔のアイドル雑誌みたいなジャケット、、、きっと中身の薄そうな爽やかアイドル映画かなって軽くみてたら、、、、ごめんなさい参りました。そういうお話でしたか。相当強めに涙腺刺激するやつです、これ。

だいたいお母ちゃん役がキムヘスクの映画って超高確率でやばい展開になってるような。だから今回も用心してたら、あーあ、やっぱりね、のやつ。
ウォンビンが意外なやんちゃキャラやってたりして、イメージと違うなぁって思ったけどすぐに慣れると言うか、この人イケメンなだけじゃなくほんと演技巧い。今どうしてんでしょうか。シンハギュンもさすが。生まれつきの障害があるからか、弟のウォンビンとは対照的な内気で優しい青年、お母ちゃんから買ってもらったバーバリーの上着（偽物）も弟に没収されちゃって、それでもニコニコ、、、おぉ、もうこれ以上書いたらやばいか、か？。
ちなみに近所の幼馴染のあのデカブツ、この人もしや？と思ったらチョジヌン！
ついこの前見たばっかの「毒戦」の精悍なイメージに脳内データが上書きされてたんで最初わかんなかったです。とっても大切で難しい役を完璧にこなしててスタンディングオベーションものです。

誰が悪いとか言えない。どうにもやりきれない展開でぐったりするするけど、その辺も含めて韓国映画らしくて好き。もうちょっと有名になってていい映画だと思いますです。

ウォンビン主演で、こんなタイトルなんでやや心配してたけど、確かに韓国映画王道のベタなストーリーではあっても、男の友情や兄弟愛、絆を描いた作品には弱い自分には結構響いてしまった。

舞台は釜山。高利貸しを生業とし、いくら近隣の者たちに悪口叩かれようが、必死に二人の息子を育てる母親。長男は生まれながらにして口唇裂の障害を持ち、母親は稼いだ生活費で整形手術を受けさせるも手術跡は残り、若干喋りにも影響が出てしまう。

そんな長男とは対照的に健康そのものの次男は、いつも母の兄と自分の扱いの不平等さに不満を持ちながら成長していく。

二人は同じ高校に進学し、兄は大人しい優等生、対して、弟はケンカ上等、学校きっての番長格。全く正反対の兄弟だが、お互いをきちんと思う優しい気持ちは決して忘れない。

ある日、他校の美人女子高生に一目惚れした兄だが、奥手な彼に彼女をクドくことなんて出来る筈もなく、何と、彼女は、よりによって弟と付き合うことになってしまう・・。

名門ソウル大学法学部に進学する優等生の兄を演じた、個人的には韓国俳優陣の中でも特に贔屓にしているシン・ハギュン、チンピラまがいにまで身を落とす弟役のウォンビンが、陰と陽のように見事にハマっていて、且つ、二人ともとても細かな表情の演技が上手い。

特に、やはりシン・ハギュンは、最近の作品ではクセが強めの悪役キャラを演じることが多くなったが、こういう正統派な好青年役も、若かりし頃は見事にハマってた。

「ブラザーフッド」「アジョシ」「母なる証明」等を見ても感じていたのだけれど、ウォンビンも最近のK-POPアイドル出身の俳優たちと比べると数倍演技に実力があり、母親の兄弟差別が結構露骨過ぎる嫌いもあるが、ウォンビンが明るく飄々と演じているので、重くなりすぎず、上手くユーモラスな形で描写されている。

2004年製作の作品だとしても、二人が学ラン姿で高校生役を演じてたのは若干驚きだが、他の生徒役も年相応の俳優を揃えているので、殆ど違和感は覚えない。

母親役のキム・ヘスクも、その存在感たるや、凄いものがあり、ラストの作品の出来を左右するような重要なシーンでの芝居もけっして過剰演技することなく、それでいて途方もない悲哀の表現がお見事。監督とウォンビンの音声解説によると、そのシーンのためにキム・ヘスクは数日間絶食と不眠を実行したのだとか・・。

あと、今や韓国映画界の中堅どころとしては頭角をメキメキと顕しているチョ・ジヌンが、作品のキーパーソンともなる知的障害の青年役を、実にリアルに演じきっていて、その演技力の確かさが際立っている。

チャ・スンウォン×リュ・ドッカン共演の「My Son　あふれる想い」同様、ビッグネームが出演している隠れた名作な割には評価数が少ないのが不思議。ネット配信されてないからかな？

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