じゅ

キャンディマンのじゅのネタバレレビュー・内容・結末

キャンディマン(1992年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

まさかこんな「キャンディマンは君さ」「鉤爪出して」的な話とは思わんかった。ほら煌めくよ君はおかしいマーダーさ。


T-JOYがtwitterでやってた2021年の『キャンディマン』のキャンペーンに申し込んでみたけどまさか当たるとは。
他の新作公開とか諸々都合が悪くて結局行かなかったから今更ながら観てみようと思ったけど、あれリメイク版だったのな。ならばまずは元の方から。
俺の地域ではたしか『No Time to Die』と被ったんだったかな。タイミング悪い。

リメイク版の方の登場人物にアンソニーの名があったな。最後に燃え盛る炎の中からヘレンが助けたあの赤子のアンソニーだろうか。


リメイク前の本作では『エルム街の悪夢』のフレディ・クルーガーを意識したような雰囲気を感じた。人々の意識の中に巣食うというか、都市伝説として噂され続ける限り生き続けるみたいなスタンスだったり。あと人間だった頃死体を焼かれたりとか火に焼かれて消滅したかんじも実はフレディが火に弱いのを踏襲してたりして。

ただ本作中のキャンディマンというキャラの成り立ち的には、そういう野望系のキャラより復讐系のキャラであってほしかったかも。ジェイソン・ボーヒーズであれ。
元々奴隷の家の生まれだったけど南北戦争後に父が靴を造る機械で財を成して、その金で芸術を学んでいろんな良家のご主人の肖像画を描いて売ってたけど、ある家の娘と恋に落ちてその父親が金でチンピラを雇って殺したっていう話だったか。チンピラは彼の右手を切り落として養蜂場から盗んできた蜂の大群に滅多刺しにさせて殺したと言ってたと思う。だったら復讐鬼の路線が似合いそうなんだよな。フレディは生前から変態なタイプだからあれで素晴らしかったと思うけど。

ヘレンがその恋した娘に似ていたから執着したってのはいいと思う。ヘレンがブチ込まれた精神病院に現れたときにキスさせてくれみたいなこと言ってて何言ってんだと思ったけど、あのコに似てたのならしゃーない。2人で永遠になりたいという気持ちにも厚みが出てくるってなもん。

あ、ということは、人を斬り裂いて恐怖心に根付いて生き続けたのは、フレディみたいな変態的願望じゃなくて愛した彼女が再び現れるのを待ち続けるためだったと思ってみると胸が熱くなってくるな。100年の恋物語。なんて一途な男なんだキャンディマン。ヘレンが医師と面談したときに召喚獣の如く都合よく現れたのも、大好きな彼女のためなら仕方ないね。


アメリカの都市伝説の類が題材になっているもので個人的に注目しがちなのはやっぱりビジュアル面だけど、このキャンディマンはそこそこカッコよかったかも。
次代キャンディマンとしてのヘレンは、今の技術ならもっとイカしたスキンヘッドにできるかも。でもどうにせよトニー・トッドのキャンディマンの方が好きかな。

リメイク版でどれだけカッコよくなってるか注目しときたい。
じゅ

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