great兄やん

キングダム II 第3章/第4章のgreat兄やんのレビュー・感想・評価

キングダム II 第3章/第4章(1997年製作の映画)
4.8
【一言で言うと】
「病巣の“崩壊”」

[あらすじ]
コペンハーゲンの巨大病院キングダムに勤める女性医師ユディットが産んだ赤ん坊は、新生児とは思えない体格を持ち、生まれてすぐに喋り始める。一方、ハイチから帰国した医師ヘルマーは、自身が犯した医療ミスの証拠を掴んだクロウスホイを黙らせるため、他人を操ることができるという秘薬を彼に飲ませる。やがてユディットの赤ん坊の父親であるクルーガーが現れ、赤ん坊が異常なスピードで成長を続ける秘密を明かす...。

余裕で前作超えの面白さ。もはや前作が“序の口”だと言わんばかりに内容然り狂気とブラックコメディの濃度が明らかに濃くなってて、尚且つその配分バランスが絶妙だから終始マジであっという間でした。
ただこれで一旦区切りが出来るのかと思いきや超絶クリフハンガーなラストで幕を閉じますし、しかも最終章であるエクソダスが出るまでなんと26年もの年月がかかっているという(^◇^;)...いやマジで、エヴァンゲリオンかよって思いましたね笑。

確かにヘルマー役やドルッセ夫人役の方が亡くなったりして制作が頓挫したのは分かるのですが…いやはや、リアルタイムで観てた人はあのラストから26年もの間我慢してたのですね🤔...

とまぁ全体的な感想はここまでにして、早速各話の感想を書いていきますね!!

【各評】
《第五話》
「術中死」
スコア:★★★★☆
ドルッセ夫人が強制退院直後に車に轢かれて再入院したり、一方でヘルマーはクロウスホイをゾンビにしようと躍起になったりと、キャラクターが前作よりも動きが出ていて初っ端から気分上がった笑。毒入りコーヒーがシャッフルされて思惑通りにいかないヘルマーがブチ切れるシーンはマジで笑ったし、ユディットから出てきたウド・キアの姿はある意味衝撃的。そんでもってキングダムに漂う幽霊の存在がより一層視覚化されてきたりと、内容と設定の面で更に没入できる回でしたね...

《第六話》
「渡り鳥」
スコア:★★★★★
ブラックコメディ炸裂回。クロウスホイが死んでしまって焦ったヘルマーが死体を探しに東奔西走したり、医師長メースゴーはセラピーを受けに怪しげな精神科医にコンタクトを取ったりと、内容そっちのけでただただ笑える回でした笑。とにかくヘルマーが愛おしい。やってる事は最低だけどなんでか嫌いになれないあの魅力は一体なんなのでしょうね😅...

《第七話》
「犠牲者」
スコア:★★★★☆
あまり進展の見られない内容ではあったが、それでも蘇生した闇落ちクロウスホイがヘルマーを殺そうと躍起になったり、ヘルマーはヘルマーで誤診訴訟からの逃亡や愛人に狙われたりと、徐々に常軌の逸した展開に変貌する様を見せられる回でもあった。前話で扉を小さくした結果車椅子で入れなくなったヘルマーは情けなくて可愛かったですし笑笑、管理室内の”ミッション・インポッシブル“、ドルッセ夫人らは飛行機で病院上空を飛んだりするなど、何気にハイライトシーンも多くて大いに楽しめました😊

《第八話》
「悪魔の巣窟」
スコア:★★★★★
メチャクチャ好き。星5個じゃ足りないくらい。終盤20分ほどはマジで笑いが止まらなかったですし、ある意味”キングダム“における”真髄“がこの一話にギュッと詰まってるような気がした。余りにもハイライトシーンが多過ぎて全ては語り切れないが、ヘルマーのボルボとボンド医師の弟が判明したシーンはマジで腹が捩れるかと思った🤣🤣🤣

【総評】
今作を観てキングダムに蠢く謎は完結するのか…と思いきや全く完結していなかったり、その上次作が出る事もなく26年もの間有耶無耶にされてたワケだから、そりゃぁこの作品の存在そのものが神格化するわけだわ( ̄▽ ̄;)…って思いましたね笑。

ただ内容は完結していないにも関わらず前作以上に没入できたり笑えたりで、前作同様5時間弱あるにも関わらずずっと面白い作品であるのは凄いことですし、トリアー監督ならではの”常軌の逸し方“というのがまさに格別なものとして終始体感させられましたね...

果たして最新作である『キングダム:エクソダス』で全ての謎が完結するのか…少し不安ではありますが、時間が空き次第トリアー監督渾身の最終章を見届けようかと思います!!