記録。
芸人たちの間で花咲く噂話。語られるに値する男のおかしな物語。
これだよこれ。この空気。笑い。高揚感。
僕はこの感じを求めてウディ・アレンの映画を観るんだ。
37年前のモノクロ作品である本作、個人的には名作の誉高い「アニー・ホール」よりも好きな作品だよ。
ブロードウェイの食堂カーネギーデリカテッセンに集う芸人たち。各々がある男の笑えるエピソードを、競うように語り合う。
男の名はダニー・ローズ。ニッチな芸人ばかり扱うしがないマネージャーだ。
この映画の本筋は、ある男が語り出す、ダニーのとっておきのエピソード。それは思わず聞き入って(観入って)しまうものだった…
いやぁ、個人的には次作「カイロの紫のバラ」には劣るけど、面白かったぁ。
終始デカいグラサン着用のミア・ファローが印象的。流石この時は良好な関係にあったのだろう。アレンと息ピッタリの逃避行が楽しい。ヘリウムガスのくだりは絶対笑っちゃうよね。
苦味の先にある明るさを感じさせるラストシーンも素敵。僕のようにナイーブ(笑)な男性は高確率であれ好きだと思うな。
人生におけるサプリメントみたいな映画。機会があれば是非是非な作品でした。