馬井太郎

宮本武蔵 巌流島の決斗の馬井太郎のレビュー・感想・評価

宮本武蔵 巌流島の決斗(1965年製作の映画)
3.5
制作1965年は、東京オリンピック開催の翌年、これに合わせて開通した東海道新幹線も順調、日本は、経済成長街道を闊歩していた。
オンタイムで見逃したこの映画を、ずっと後になって、奇しくも、北海道ツーリングの帰途、苫小牧港からのフェリー船内で、初めて観た。
そうだった、封切り当初からの思い・・・小次郎役に高倉健は、合わないな、が、やはり案の定だった。「13人の刺客」だったかな? もあるが、彼には、現代ものが合っている。
武蔵役は、千恵蔵のほうに投票するけれど、錦之助の若さ・野性味は捨てがたい。
懐かしい役者が大勢出演している。なかでも、浪花千栄子のお杉婆あがいい。執念深く武蔵を追う姿は、真に迫っている。
あとひとり、本位田又八(木村功)だ。気の弱いマザコンダメ男、武蔵との対比が成功した。

千葉県市川市に、武蔵の墓、といわれる地蔵がある。吉川英治の原作に2度ほど、実名で書かれている寺で、自称他称武蔵研究家が、昔はけっこう訪れた。武蔵直筆と伝わる水墨画が文化財としてあるという。興味津々・篤実な方が居られたら、一度散歩がてら、行ってみてはいかがなものだろうか。(市川市本行徳)。