悲しくて泣かされるんじゃなくて、心が満ち足りて涙がこぼれる映画。優しいエネルギーを貰った。
これは凄い歳の差の男女の恋、というよりは心と心の交流だと思う。打算的な人生のパートナー探しでも、その場の感情優先の本能的な恋愛でもない。ただ純粋に心から他者を愛し愛されることがどれだけ幸せか、を感じさせてくれる作品でした。
ハロルドの自殺ごっこのバリエーションとモードのルールに囚われない生き方には随所で笑わせてもらったww ちょっとお母さんの気持ちも分かるんだけどね笑
人は知らず知らずに決められた枠組みの中で生きているけど、全部その通りにしなくてもいいんだよ、自分の心に従っていいんだよ、あなたはどうしたいの？と優しく教えてもらった気分。(もちろん現代社会で法律違反をすると捕まりますがww！)
若者の虚勢でも年長者の驕りでもなく、恐らく様々な人生経験を経て構築されたモードの生き方・価値観は最後まで観るとなるほどなという説得力があった。この境地にはなかなかたどり着けない。モードの台詞は名言ばかりです。
家にいると物凄く変な生き物に見えるハロルドが、モードといるうちに生き生きしてくるのが凄くいいです。俳優さんの演技・表情が本当に良くて素晴らしかった。軍人の叔父さんやお見合い相手がまた絶妙な配役で最高でしたww また、普段観ないタイプの映画な事もあり、会話のリズムがコミカルで楽しかったです。
強いて言うなら挿入歌がちょっとくどかったかな？と思うけど、52年前の映画だもの…凄いわ…。心の柔らかいところに効く映画でした。飲み物に例えると、芳醇で後味すっきりの苺酒みたいでした。
ずっと観たかった作品なので観られて良かったし、満足度高かったです☆彡.。
