Adachi

十三人の刺客のAdachiのレビュー・感想・評価

十三人の刺客(2010年製作の映画)
4.5
すでに鑑賞済みの作品でしたが、なんとなく[マグニフィセント・セブン]の余韻と、松方弘樹を観たかったので再鑑賞。個人的に、この映画があるから三池崇史監督を嫌いになれない。

血飛沫あり、転がる生首あり、超絶的に鬼畜な悪役あり、仁義あり、チャンバラあり、全ての場面に手を抜かず、今作は人の心をたぎらせる要素が詰めこんまれた、熱く見事な映画です(こんな熱い映画に恋愛要素とか求める奴は、帰ぇれ!帰ぇれ!)

なにはともあれ今作の白眉は間違いなく松平斉韶様を演じるゴローちゃんの残酷っぷりなわけですが、その目を伏せたくもなる凶行を、しっかりとエクストリームなグロテスク表現で見せる事により、「こいつは一刻も早くぶっ殺さないと!」という、お話全体の説得力と推進力をしっかり生み出しておりまして、「完全超悪」を倒す「勧善懲悪」的な絶大なるカタルシスを生み出している、本当によく出来た脚本だと思います。

「天命あって集いし我ら十三人!命を捨て大事を為す時が来た!各々方、覚悟はよいな!!」

ダイワマンこと役所広司が、このセリフを発した時点で、もう僕の興奮は抑え切れない沸点に達しているわけですが、その後に彼が掲げる「み・な・ご・ろ・し」の伏線回収には身震いするほどに感動しました。もしかしたら”エモーショナル”という言葉とは、あの場面の為に存在するのではないか?と思うほどに、あのシーンには心底やられました。

ですので「エモーショナルの意味とは?」の概要ページを、この場面の写真を添えて是非とも歴史の教科書に載せて頂きたく思うで候。
それを拙者は切腹してでも、御上様にお申し立て致したいで候。

最後に
やはり松方弘樹の「殺陣」と「見栄」の迫力は抜群でした。この人の鍛え抜かれた太刀筋と、練り上がった流麗な刀捌きは、本当に、本当にカッコよかったです。
しかと目に焼き付けました。あざっす!
Adachi

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