Adachi

2分の1の魔法のAdachiのレビュー・感想・評価

2分の1の魔法(2020年製作の映画)
2.7
要するにコレ「行って帰ってくる」お話なんですが、その道中に起こるアクションの中でちょっとした伏線を次々と回収してくれるのがシンプルに嬉しいです。

確かに兄のバーリーは余計なことばかりする。しかしながらその余計なことこそロマンだったりするのです。冒険や魔法のファンタジー性が持つ根源的なロマンと、バーリーの引き起こす余計なこと=手動的なロマンの一連托生っぷりが、映画内における敢えて一手間加えることの必要性を猛烈に感じさせられた次第です。

そんなファンタジーとして表象化された世界と、どこまでも現実的な価値観が混在する世界を、CGアニメーションによりシームレスに描きつつ、主人公の成長という物語的主題をそつなくまとめあげているなとは思うんですけど、一方で兄弟二人の目的到達への感情を巻き起こす段取りが明らかに不十分じゃないかと。

本作の世界観とロードムービーの必然性がイマイチ物語と噛み合っていない印象ですし、兄弟二人の関係性の積み上げも希薄。これじゃまるでスパイダーマンに成り立てのピーター・パーカーを見ているようで、重さのないセリフや情動がことごとく宙に浮いているように感じてしまいました。
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