みー

ONCE ダブリンの街角でのみーのレビュー・感想・評価

ONCE ダブリンの街角で(2007年製作の映画)
4.6
ジョン・カーニー音楽3部作の1作目。観る順番が逆になっちゃったけど、これが1番好きかもしれない。ほろ苦でまろやかな、カフェオレみたいな映画だった。

よく出来たPVの連続のような、ジョン・カーニーの作品たち。ミュージカルとは違って、劇中歌は、「自分が作り上げていく歌。」音楽好きな私としては、そんな風に「音楽と共に生きる」テーマと曲が、たまらなく心に響くのであります。

こちらは、『シング・ストリート』や『はじまりの歌』のような素朴な中の洗練さはない。
でも、地味なのに心がジワーっと温かくなって…。
観た後、どうしてこんなに幸福な気持ちになるんだろう。
果たしてhappyな、よく出来た映画かしら?
否、ストーリーも特別すごいって事はないと思うの。

曲がとにかく良くって、演出も最高で。
そこに一気に気持ちが持ってかれちゃうのです。Falling Slowlyは、聞くだけで悩みが吹き飛んで、ぐっすり眠れそう。
Lost Starsも毎日のように聴いてるけど、これも仲間入り。

この作品はいわゆるラブストーリーの類なんだろうけど、大きな出来事も明確な起伏もなく、ただ日常で出会った2人の気持ちに、観ている側がだんだん寄り添っていく。そんなお話。

(ಠ_ಠ)←このびっくり困り顔の人はすごくいい音楽を作るけど、中盤まではなかなか好きになれない。
不甲斐ないし未練がましい。
でもなかなかイイ奴なので、同級生のような気持ちで見守った。

(╹◡╹)←この人はとても愛らしくて芯が強くて、掃除機がペット。声に癒される。

そんな人間らしい2人が紡ぐ音楽と話にはとても親近感が湧いて、元気をもらった。

ちなみに、このお2人は実際にユニットを組んでいたらしい。ミュージシャンにこんな素敵なお話を演じさせてしまうジョン・カーニー、本当にすごい。この女性のソロアルバムに関しては、癒されたい時のヘビロテと化しております。

とにかく3作品を観て思ったのは、あの超ワンパターンとも言えるクライマックスが、私にとって最高の心のカンフル剤なのだな、と確信した事。

3部作すべて、何度でも観たいシーンベスト3!
次の作品もきっとこんなパターンよね、と思うんだけど、それが楽しみで仕方ない…!

次の作品はいつ?早く観たいなぁぁ。
みー

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