サラリーマン岡崎

ディナーラッシュのサラリーマン岡崎のレビュー・感想・評価

ディナーラッシュ(2000年製作の映画)
4.6
丁度映画を好きになって、観始める様になったときに上映していた記憶がある。
(あの時は小学四年生…エモい…)

レストランでの話で、サスペンスということは知っていたが、それ以外は前提条件なしで観れたのが良かった。
何が起こるかわからない展開を楽しむ映画だ。
8割はレストランの激混みの一夜を映す。
めちゃめちゃドラマチックなことは起きるわけではなく、
そこにいる従業員や客が交わす会話を映すのみ。
だからこそ、このあと何が起こるのかが予想ができない。
そして、それぞれの登場人物はなぜ存在するのかを気にし始める。
後から見ると、その存在意義がそれぞれわかるが、
それも別にラストに起こるある「出来事」のためにあるだけではないのがとても良い。
レストランの中には様々な人生模様があり、
それぞれの人生を妄想するのがとても楽しい。
人が集まるからこそ、その分たくさん物語がある。
それがサスペンス的なスリリングさは生まないが、
どこか駆け引きがスリリングで目が離せない。

自分も高校生の頃、飲食店でバイトをしてたが、
混むときのスリリングさはこういう感じかも。
客はそれぞれの思いでレストランに来ており、
従業員はとりあえずオペーレーションをすることに必死。
だから、サービスが雑になり、客は怒る。
従業員は変な客の対応にストレスがたまる。
ピリピリする雰囲気はある。
でも、この映画ではその中にバーテンダーのエンターテイナー性や従業員の夢の話をするから、
暗くはならないのがとても良い。

寂しくなったときに、誰かと一緒に観たくなる、
そんな映画だと思う。