たけのこれんこん

ホノカアボーイのたけのこれんこんのネタバレレビュー・内容・結末

ホノカアボーイ(2008年製作の映画)
1.5

このレビューはネタバレを含みます

主人公がハワイで出会う人々は皆、少し癖があるけれど良い人達ばかり。ポップコーン売りのぼけた爺さん、エロ本を欲しがる老人…。
ウクレレっぽいゆるやかなBGMのなか、店番の老人が誰も来ないカウンターでうとうとして、主人公が強い日差しの下で買い物袋を下げてたらたら歩き、毎日老婆の料理がおいしそう。みたいな、「なにもない日常」をただ見せる癒し系の映画。

……だと思ってた。

中盤まではまさしくハワイの暖かい風が吹くような映画だった。もうこの空気があればどうでもいっかぁと、映画観ながら寝ちゃいたいくらいの穏やかさだった。

ところが。
主人公に彼女が出来てからおかしくなった。
まさか毎日、主人公に夕食を作ってくれていた老婆が若い彼女に触発されて「女」になるとは!!
大学生の主人公とは50歳ほど年齢差があるはずのお婆さんが、主人公に女として気に入られようと無理して派手なワンピースを着たり、彼女に嫉妬して苦手なピーナッツ料理を出したりする。
すごく気持ちが悪かった。そういうの求めてないです。
人間の性だからしょうがないとか、老婆だって乙女の心を持っているとかでこれがチャーミングに思える人ならいいけど……いゃぁ~~…無理です私は。

しかも若い彼女が苦手だというピーナッツ、実はアナフィラキシーショックで深夜に病院に運ばれるほどの重度のアレルギー。
なぜそういう設定にしちまったんですか。
重度アレルギーなんかにせずにちょっと体がかゆくなる程度でもこの映画だったらいけたのに。それだったら後味はさほど悪くならずに済んだかも。
重度のアレルギーという設定にしたおかげで殺人未遂になってしまったじゃないですか。
50歳違いの男に年甲斐もなく発情して、ライバルを毒殺しかける老婆なんか描きたかったんですか!?

そしてなんの前触れもなく唐突な老婆の失明(脳内出血)。そのまま退場。
『その日、主人公が家に来るとビーさんの姿はどこにもありませんでした』じゃねぇわ。失明した孤独な老人、心配だっつの!
もうほんと雑!!


老婆を女にした件。
アレルギーで殺人未遂。
失明した人を要らない物のように退場させた件。
この映画の印象ガタ落ち。
映像には癒されたので1.5点。