ゆうすけ

摩天楼はバラ色にのゆうすけのネタバレレビュー・内容・結末

摩天楼はバラ色に(1986年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985)で一世を風靡したマイケル・J・フォックスが主演のアメリカンドリーム映画。田舎から出てきたブラントリーが、叔父が社長を務める大企業に郵便配達係としてコネ入社し、重役の女性と仲良くなりたいがために偽名を用いて役員としても働き、1人2役を演じながらも買収の危機にあった会社を立て直し、自分が社長に就任し、目当ての女性も手に入れるというトンデモサクセスストーリーです。

まずシナリオは荒唐無稽ではありますが、コメディなので特に問題なしです。着替えるためにエレベーターを止めるシーンや、社長と妻、ブラントリーとクリスティがそれぞれお目当ての寝室に行こうとして結局一箇所に皆集結するシーンも面白かったです。

それまでのアメリカではセルフメイドマン(独立独行の男)が成功者になるために必要な素質でした。アメリカは比較的新しい国家であり、“会社”というものは受け渡されるものではなく、起業するもの、一から作るものが基本です。つまり、ロックフェラーやフォードは皆“成金”です。成金こそが成功者だったのです。
しかし時代は移り変わりこの映画は「セルフメイド・マンだけが成功者ではない」ということを示します。起業して一躍億万長者になった後に待っているのは、時代の流れを読めず、過去の成功に縛られて迎える倒産・買収です。つまり、次の時代の成功者はブラントリーのように、時代を読み、裏を掻き、賢く立ち回る者だということが示されているのかもしれません。

全体として馬鹿馬鹿しい映画ではありますが、楽しめました。
ゆうすけ

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