もものけ

ロシアン・ルーレットのもものけのネタバレレビュー・内容・結末

ロシアン・ルーレット(2010年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

定期的に何度も鑑賞しております👍

暮らしが貧しく家族のために働くヴィンスは、仕事先の家で大金を稼ぐ話を耳にするが、直後に事故で相手が死に、封筒を盗み出すことに成功する。
翌日、封筒の指示通りに向かう先は、恐ろしい賭けの対象にされるプレイヤーが集う死のゲーム会場だった。


感想。
"Spin your cylinders !"
声高々にマイケル・シャノンが進行役を努めるインパクトが凄すぎて、毎度笑いを堪えることが出来なくなり、絶望したプレイヤー達の表情と異様な雰囲気に、ニヤニヤしっぱなしなのは、私がサディスティックだからでしょうか?(笑)
とにかく、マイケル・シャノンの迫力演技が楽しめるだけでも、価値ある作品でございまして、プレイヤーをジラつかせる絶妙な間を持たせるシーンなどは、堪え切れずに吹き出してしまって、腹が痛いです(笑)
無理です耐えきれというのが。
そして、この間はプレイヤー達には、極限状態の精神が耐えきれなくなるストレスで、プレイヤーと賭け側での温度差の違いと情けなさをシチュエーションコメディとして演出しており、腹がよじれてしまいます。
こんな残酷なスリラー映画なのに、滑稽で笑わせる演出には、もはや娯楽映画の規模を超えた新しいジャンルともいえるのではないでしょうか。

更に、過去の覇者レイ・ウィンストンの演じるキャラの人相の悪いこと悪いこと。
何処から来るのか物凄い自信で主人公に絡む、虚勢にも見える迫力がまた笑いを誘います。

たかだかロシアンルーレットを長尺で人生観と共に描いた名作「ディア・ハンター」とは別で、こんな題材をよくここまでスリラー映画として広げたと関心してしまいますが、確かにたかがロシアンルーレットなので、評価が低い作品でもあります。

賭けの構成も胴元が自身の手駒プレイヤーを対象に、賭け金の手数料を得る為に駆け引きをしたり、サークルになって互いの頭を狙い撃ちするデスマッチなど、綿密に設定しております。

ロシアンルーレットをひたすらする映画と思いきや、勝ち残る主人公が、いかに賞金を持ち帰るというスリラー要素を非常に早いテンポで描いております。

映画「13/ザメッテイ」のリメイクですが、13は主人公のナンバーで、生き残るメタファーを含んでいるのが面白いです。
しかもこの13はキリスト教文化では不吉というラストを暗示しているかのようです。

作品には、主人公以外は全て悪人面のメンツばかりで、個性的な名優が以外と沢山出演しているのも魅力です。
久々に小物役のジェイソン・ステイサムや、かつてのセクシー俳優ミッキー・ロークの情けない演技が味を出しております。

非常に素晴らしい、サクッと観れる娯楽スリラー映画の傑作に、5点を付けさせていただきました!!
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