「コーヒー」と「たばこ」を嗜む人々の、他愛もない会話を集めたオムニバス。
パッケージ写真や題材から、勝手にさぞオシャレな会話が繰り広げられるんだろう…と思っていたら、ほぼ全編にわたって絶妙に噛み合わない気まずい会話の応酬で、シチュエーションは小汚い喫茶店、出てくるコーヒーも美味しそうに描かれるでもなく、むしろオシャレとは真逆の場末感が漂っていて良かった。
お気に入りのエピソードはいくつかあるけど、中でも何故か終始不機嫌なトム・ウェイツにたじたじになるイギー・ポップのエピソードに、何故かテスラコイルについて熱く語るジャック・ホワイトと適当に受け流すメグのエピソードは特に好きだった。タランティーノ的な中身ギュウギュウ詰めの「無駄話」ではない、まだ知り合って間もないが故の、もしくは信頼しきった関係だからこそのスカスカでグダグダな会話がリアル。
タバコは全く嗜まないので分からないけど、コーヒーのように一息つきたい時に味わいたい、絶妙な雰囲気が心地よい映画だった。
(2018.43)