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幽霊紐育を歩くのHKのレビュー・感想・評価

幽霊紐育を歩く(1941年製作の映画)
3.5
名作『天国から来たチャンピオン』のリメイク元です。
こちらは主人公がアメフト選手ではなくプロボクサーですが、ストーリーはほぼ同じ。
手違いで死ぬ前に天国に行ってしまった主人公が、間違いだとわかり戻ろうとしますが、自分の体は死んだと思われて既に火葬に。さあ、どうする?というお話です。

主人公の名はジョー・ペンドルトン。
親友でもあるトレーナーの名はマックス。
タイトルの原題(“Here Comes Mr.Jordan”)でもある天使長の名はミスター・ジョーダン。
天使と言っても羽は無くスーツ姿の紳士ですが(ビーティー版ではジェームズ・メイスン)。

先に観た『天国から来たチャンピオン2002』ではウォーレン・ビーティー版と役名がほぼ全員違いましたが、本作ではそうそう!こんな名前だったと思い出して嬉しくなりました。

天国のシーンもビーティー版の方とソックリ。
一面ドライアイスの雲の上で亡くなった人たちが順番にヒコーキに乗り込んでいきます。
『天国~2002』ではホテルの玄関に並んでいて中はパーティ会場でしたが、やっぱりヒコーキの方がシックリきます。それもプロペラ機。

ちなみにビーティー版で主人公が吹いてた下手なクラリネットは本作ではサックスでした。
こうしてみると『天国~2002』の方は趣味の楽器も出てこなかったし、本作とビーティー版との共通点の方が多いですね。
あ、でも主人公が事故るくだりは『天国~』と『天国~2002』は同じ交通事故でしたが、本作では飛行機事故。それも主人公本人が操縦するセスナ機で最初からいかにも落ちそう。

天使長ミスター・ジョーダンの部下のドジな新人天使が番号(メッセンジャー7013)で呼ばれたり、天国から地上への瞬間移動の方法は企業秘密というのも笑わせます。
しかし今だったらCGで何でもアリですが、当時の技術レベルと低予算でも撮れるよう工夫された脚本と演出がさすが、というか元が舞台劇ならではなんでしょうか。
そして何といっても別人の体に乗り移っても見た目はそのままでも他人からは別人に見えているという都合のいいアイデアは画期的です。

ところで今回、本作には続編があると知ったので、さっそくその続編『地上に降りた女神』も観てみることにします。
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