少年期〜青少年期〜青年期の感情の機微を捉えた作品。登場人物の御顔はあえて簡素な造形にしつつも、環境描写が繊細かつ緻密でこれぞ新海作品といった趣を感じます。また、主題歌が本編を飲み込んでしまう勢いで、山崎まさよしの「One more time, One more chance」の長編PVかと思わせる程に主題歌と物語が一体化していました。
ーー遠野
少年期の恋愛体験に心をとらわれてしまった主人公・遠野は、まさに「見れども見えず」状態といえます。時には過去を振り返ることも必要ですが、過去を見たまま今を生きることはできません。"人生後ろ歩き"を続けた遠野の前途が前向きなものであることを願いつつ…。
ーー総評
本作は全編を通して詩情に溢れる内容であり、ぼやーんとした心にそっと寄り添ってくれる作品といえるかも知れません。
