久しぶりに驚嘆すべき作品に出会えました。圧倒的。これほどに無神論的で、涜神的ながらも敬虔で、神を讃美している作品はないと思います。この異様にも思える熱量は、アレックス・プロヤス監督の『スピリッツ・オブ・ジ・エア』に通ずる"何か"に由来しているように思われ、心にグサリと刺さりました。ナンセンス、アブノーマル、不快さ、無垢なる残酷、そして生と性と聖なるものがプリミティブに渾然一体となった本作。劇場鑑賞できた僥倖に心から感謝したいと思います。
なお、本作では、バビーが生まれて初めて触れる世界を観客が視覚・聴覚でそのまま体験できる手法として「バイノーラルサウンド録音」が採用されていますが（※）、本作において音響面が与える影響は非常に大きく、その意味でも機会があればぜひ映画館でご鑑賞いただきたい作品です。
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