愛鳥家ハチ

ウォンカとチョコレート工場のはじまりの愛鳥家ハチのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

なんと美しくまとまった作品でしょうか。物語最終盤で母の幻を見るシーン、とても感動、感涙です。ミュージカル映画はあまり肌に合わない私でもかなり楽しむことができました。冒頭のティモシー・シャラメ、スタイル良すぎませんかね???そしてなぜかウンパルンパのテーマが頭から離れない…。

しかし、夢の島、埋立地。目を凝らしてみるとアスファルトの下にはダークなイメージが多く散りばめられていました。一例ですが、ドラッグ依存(チョコ依存)、過食(署長のナッティ・プロフェッサー化)、先住民族からの収奪(ウンパルンパ島からカカオ豆拝借)、債務監獄・奴隷労働(ホテル幽閉・強制労働)、同業他社への嫌がらせ(食品への異物混入)、生臭坊主(ミスター・カカオ豆(ビーン))、汚職(署長)、児童労働・虐待(ヌードル)、貧困ビジネス(ホームレス化したウォンカを抱き込む)、殺人未遂(船爆破)、公序良俗違反(インチキ長文契約書)、住居侵入・窃盗(ウンパルンパ)、二重帳簿(教会地下の秘密基地)等々…まばゆい世界観から垣間見える人間の後ろ暗さ。とてもさりげない人間のダークな側面。サブリミナル・ダーク・チョコレート。

そしてそれらを全て跳ね除け、乗り越える圧倒的なティモシーの存在感がまぶしすぎる。仲間との絆。親子愛。美しい映画でした。温かいホットチョコレートが飲みたくなりました。
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