もものけ

ハリーとトントのもものけのネタバレレビュー・内容・結末

ハリーとトント(1974年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

間違ったっていいじゃない、いつからでもやりたい事するのは遅くはないのかもねぇ〜……。

妻に先立たれ、相棒の猫トントと暮らすハリーは、ニューヨークの街で長年の仲間たちとの毎日の会話を楽しむ平凡な老人。
住まいのボロアパートメントから立ち退きを言い渡され、最後まで抵抗するも時代の流れに逆らえきれずに、迎えに来た息子の家に同居することになるが…。


感想。
アカデミー賞主演男優賞作品なんですね。
古い映画は、ほとんど観ていない私は、全く知らなかった作品でした。
タイトルから想像するに、子供向けの動物ハートフルドラマだと思って観ると、人生の黄昏時を迎えて行き場がなくなり、歩んできた人生と向き合うおじいちゃんのロードムービーという、想像とは違う物語に、ホッコリしながら毎回出てくる猫トントの仕草にニヤニヤしながら観てしまった感動作品でした!!

ハリーが、毎回トントに歌のクイズを出すシーンがなんとも心がホッコリするシーンで、とても好きでした!
たまに、「ニャー」と答えを言わんばかりに鳴くトントがまた可愛い!!
カメラフレームにちょこちょこ入って来ては、自由に仕草をするトントに目が釘付けで、終始ニヤニヤが止まりません!!

ハリーは、元教師ですが歌手の夢を持って、大恋愛の相手と違う女性との生活を選び、猫のように自由に各地を廻りたい気持ちも置いたまま、平凡な人生を静かに送ったことへ、多少なりに後悔をしていて、出会う人々との関係から、晩年といえ、その想いを叶えていきます、相棒のトントと共に…。
年老いていながら、変わっていける自分へ段々と自信が湧いていく様をゆっくりロードムービーとして描いており、静かながらに素晴らしい演技でした。

一番印象的だったのは、長年連れ添った独り身のポーランド人の友人をモルグで見送るシーンですが、精一杯哀しみを堪えながら「お別れだ」と言うシーンに目頭が熱くなる思いでした。
そして、ラストシーンの猫トントを見送るシーンも友を見送るのと同じように「お別れだ」……もう涙腺崩壊でした。

ラストシーンの夕陽に照らされた砂浜でのシーンに、思い残す事はないって素敵な老人の最後にも見えて、とても暖かな気持ちで観終われましたので、3点を付けさせていただきました。

茶トラ猫トント、可愛い!!
おじいちゃんも優しく可愛いです!!
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