このレビューはネタバレを含みます
ずっと観たかった作品。
実話、青春物語、サクセスストーリーとして申し分ない。原題と邦題どちらも良いけれど、鑑賞後は邦題のセンスに改めて感嘆する。
1950年代、ソ連が世界初の人工衛星を打ち上げたニュースが高校生ホーマーの耳に届く。米ウェストバージニア州コールウッドの地上から肉眼で衛生を見た彼は、仲間たちとロケットの打ち上げを夢見て自主制作を始める。
知的探究心からスタートしたことが、彼らの未来へと繋がるビッグイベントとなっていき、その過程を温かく見守り時に協力してくれる地元の人々との交流や先生との絆の描かれ方が素晴らしい。
息子が自分似であるが故に後継者に育てたくて、先の見えない出来事に時間と労力を投資することを反対するお父さんの気持ちも痛い程わかり、ぶつかり合う父子の関係性には何度も胸が締め付けられそうになる。
クリス・クーパーの名演には逐一涙を誘われた。
コールウッドに留まって父のように炭鉱の採掘業に従事するか、自分で道を切り開いていくか。ホーマーが人生を模索しながら、ロケット打ち上げ成功に勤しむ過程を若きジェイク・ジレンホールが繊細な演技で見せてくれる。笑顔は幼いけれど、この頃から抜群に演技が上手い。
澄み渡る青空へと上がっていくロケットの光景をずっと心に記憶しておきたくなるような感動作を有り難うと監督に言いたいです。