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ザ・リング2の消費者のレビュー・感想・評価

ザ・リング2(2005年製作の映画)
2.3
・ジャンル
心霊ホラー/リメイク

・あらすじ
新聞記者のレイチェルは息子のエイダンと共にビデオの呪いを逃れ田舎へと引っ越し平穏な生活をおくっていた
そんなある日、街で殺人事件が発生
同僚達が被害者は恐ろしく奇妙な表情をしていたと話すのを耳にしてレイチェルは嫌な予感を抱く
そして現場へと向かい死者の顔を密かに確認するとその予感は的中
被害者、ジェイクの表情は過去にビデオの呪いで死んだ者達と瓜二つだった
再び呪いの連鎖を起こすまいと彼女はジェイクの死を目の当たりにした生還者、エミリーにビデオの在り処をを聞き出し焼却
事態は食い止められたかに思われたがやがて親子の周りでは怪奇現象が相次いでいき…

・感想
Jホラーの代名詞、「リング」のハリウッドリメイク作品の続編で原作と同様に中田秀夫が監督を務めている

前作の時点で悪い意味で西洋的な大味の世界観へと改変されてしまっていたので不安はありつつも中田秀夫が監督という事で多少は期待していた
しかし実際観てみると相変わらず全体的に陳腐な出来となっており残念なリメイクとなっていた

原作映画において貞子は神通力を持つ母、志津子が好奇の目に晒された末に命を断ってしまった事、自身の能力を恐れた義父の伊熊平八郎の手で井戸に沈められてしまった事
この2つによって怨霊となった
その過去があってこそ貞子には恐怖だけでなく悲哀も感じられて話に深みをもたらしていた
しかし今作を含むリメイク版シリーズでは貞子にあたるサマラは実母、エヴリンが彼女を死なせた設定になっている
その上、エヴリンはまだ生きており背景となるはずの闇が物凄くショボくなっていた

そもそもサマラの姿も貞子をある程度は踏襲した物ではあるもののあの特有の目つき等は見せず、殺害されたジェイクや狂わされたマックスなどもまた死亡時の状態が全然怖くなかった
その感じでサマラの引き起こしていく現象も貞子の神通力とは違ってあまりにも超能力過ぎて逆に迫力がない

良かった点としては
・最初に死んだジェイクが自身への行為を利用してエミリーにビデオを見させ死を逃れようとするクズムーブ
・夢を見ている間は話を聞かれないという設定
・普段、母をレイチェルと呼ぶエイダンがサマラに憑かれてからはママと呼ぶ
…くらいのもんかな
それらも辛うじて面白い…かな?という程度なので何とも言えない

昨今の国内作品を観た時と同様に何で中田秀夫が原作シリーズ1作目の様な名作を産み出せたのか?という疑問もどうしても感じてしまう

他に気になった点としてはビデオ焼却後のサマラの引き起こす事がもはやビデオと関係なくなってしまっていた事
そして恐怖の源泉がビデオではなく水へと移り変わっていた割に「仄暗い水の底から」の様なジメッとした空気感などは無かった事
この2つが挙げられる
B級モンスターホラーならそんな物でも許されるかもしれないけど仮にも「リング」を元にしておいてこれはないだろ…と
印象的なキャラがいなかったのにも引っかかった

Jホラーを見慣れている人間からすると全く怖くも面白くもなかったけど海外の人達はどうやって受け止めたのか
そこも気になった
ジャンプスケアが無かった分だけマシなのかも知れないけど
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