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日本の首領 野望篇の東京キネマのレビュー・感想・評価

日本の首領 野望篇(1977年製作の映画)
2.0
松方さん追悼16本目です。いやはや、今回もまた色んな部分があの映画にそっくりで、詮索する楽しみだけは増えましたが、あまりの節操のなさに唖然とします。気付いたら音楽もですよ。黛敏郎さん、よくこういう仕事を受けたなあ・・・。

今回の松方さん、ちょっと控えめで良いです。これ、恐らくロバート・デュバルとアル・パチーノの中間キャラにしたかったんでしょうねえ。。。と簡単にネタがバレるのもどうかとは思いますが(笑)

とまあそんなこともあり、とにかく色々有りすぎで、拷問のように長い映画でした。 恐らく東映のヤクザ映画の肝だった臨場感のある様式美が無くなったことが一番の原因なんじゃないでしょうか。役者もいいし、室内シーンは全部セットでプロダクション・デザインも丁寧に作り込んでいるのにねえ。それまでの東映ヤクザ映画の財産だった義侠の精神は微塵も残っていません。はっきり言えば、脚本と演出の問題です。『山口組三代目』がたった4年前ですからねえ。こんなに簡単に劣化するとは、いやはや悲しいばかりです・・・。
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